遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

UNITED COVER/井上陽水

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UNITED COVER 井上陽水

1. 蛍の光
2. コーヒー・ルンバ
3. 花の首飾り
4. 旅人よ
5. 銀座カンカン娘
6. サルビアの花
7. 東京ドドンパ娘
8. ウナ・セラ・ディ東京
9. 嵐を呼ぶ男
10. 誰よりも君を愛す
11. ドミノ
12. 星のフラメンコ
13. 月の砂漠
14. 手引きのようなもの


21世紀になったばかりの、いまから10年前にリリースされた、

井上陽水が歌うカバーアルバムが「UNITED COVER」。

選曲を見て、私の大好物ばかり入った幕の内弁当のようで、

迷わず購入した。


2002年に出た、原由子の「東京タムレ」http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/35695448.html

も、素晴らしいカバーアルバムだったが、

こういう企画アルバムは、選曲の妙が肝だと思われる。

そして、歌い手の歌唱力がそれに続く。


徳永英明が、女性が歌う曲ばかりカバーしているのを聞いたことがあるのだが、

彼の歌唱は数曲聞くとお腹いっぱいになってしまう。

単調に聞こえて退屈してしまう。

退屈させない何かが足らないのだと思う。


一方、陽水のこのアルバム、彼の歌唱による聞かせ方が絶妙で、

レトロな曲の斬新なスタイルでの編曲が、何ともすばらしい。

「コーヒー・ルンバ」「銀座カンカン娘」「嵐を呼ぶ男」「星のフラメンコ」

などは、カフェインたっぷりの珈琲効果か、うきうき楽しくなってくる。

「旅人よ」「サルビアの花」「ウナ・セラ・ディ東京」「誰よりも君を愛す」に加えて

なぜか「月の砂漠」などの調べに、懐かしい優しい人を思い出して胸が熱くなる。


このアルバムは、マイライブラリーから久々に引っ張り出してきたのだが、

陽水の歌を聴いていると、

彼の成功が何によるものだったか、判るような気がしてくるのである。