遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

最高の人生の見つけ方/ロブ・ライナー

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2011年新春ほんわか映画第3弾目は、「最高の人生の見つけ方」。


余命いくばくもないがん患者で、

見知らぬもの同士が偶然病院で同室になったという設定。

ニコンルソンは大実業家で、フリーマンは整備工一筋に生きてきた男。

二人の経済的格差は相当離れているのであるが、

がんの前には、ほとんど格差のない単なる年老いた男たちなのであった。


病室で、フリーマンが死ぬまでにやっておきたいことをリストアップし始める。

そのリスト・アップした紙片を偶然目にしたニコルソン、

そのリストが、原題の”The Bucket List(棺おけリスト)”になっているのだが、

二人で、リストに挙げた「やり残したこと」をひとつづつ潰していこうと、

フリーマンを誘い出すのである。

そこから、二人の楽しくて少しセンチメンタルな冒険譚が始まるのである。


仲良く楽しんでいる二人を見ていると、がん宣告をしてほしいと思うし、

それ以前に人生を楽しんでおくべきなのだと、いまさらながら考えさせられる。

私の還暦までに3年を切ってしまったこの正月に、ほんわか気分だけではない感慨を覚えた。

私自身の”The Bucket List ”を、あと幾つ塗りつぶしていけるだろうかと…。


私のお気に入りは、ジャック・ニコルソン

うちの奥さんは、若い頃私と見た「シャイニング」の、

ニコルソンのイメージが払拭できずに困っているようなのだが、

私は、「イージー・ライダー」ではじめてニコルソンを意識して以来、

すでに40年以上の付き合いとなるのだから、旧友のようなものである。

ニコルソンは、余命6カ月のがん患者にしては太りすぎで「不健康」なのだが、

相変わらず楽しませてもらった。


ロブ・ライナー監督とニコルソンといえば、

ア・フュー・グッドメン」がすぐイメージされる向きもあろうかと思う。

この名作のニコルソンは、それはそれはすごい演技だったし、

それを演出したロブ・ライナーも、40代半ばの最も油の乗り切った頃だった。


そして時は流れ、二人は程よく枯れた人となり、

お気楽でライトな映画「最高の人生の見つけ方」を撮った。

それはそれでいいと思う、私には「最高の人生の見つけ方」を考えるヒントになった。

配偶者と一緒にこの作品を鑑賞しておけば、何かをおっぱじめて詰問されたら

「ほら、あの”The Bucket List ”を実践中!」などと、

逃げ口上に使えるなんてことにも、効果があるかもしれないのである。