遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ/ホレス・シルバー

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ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ~ホレス・シルバー

1. ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ
2. セント・ヴィタス・ダンス
3. ブレイク・シティ
4. ピース
5. シスター・セイディ
6. ザ・バグダッド・ブルース
7. メランコリー・ムード
8. ハウ・ディド・イット・ハプン (ボーナス・トラック)

ホレス・シルヴァー(P)、ジーン・テイラー(b)、ブルー・ミッチェル(tp)、
ジュニア・クック(ts)、ルイス・ヘイズ(ds)


1959年録音の本作は、

ピアニストのホレス・シルヴァー率いるクインテットの代表作。


シルヴァーとジーン・テイラーとルイス・ヘイズの、

ピアノ・トリオでも十分に成立する、

金管2本は要らないのかもしれない。

しかし、50年代最後の年に、

ハードバップの最高のプレイを披露してくれていることに変わりはない。

「5. シスター・セイディ」でのミッチェルとジュニア・クックの、

金管のユニゾンはただただ秀逸である。



ポルトガルアイルランドとアフリカの血が流れるミュージシャンで、

ボーナストラック以外の7曲の作曲も彼の手になる。

表情の違うこの7曲を作って演奏する才能は、

母なる3つの血統のなせる業なのかもしれない。


部下たちを自由に走らせる、シルヴァーのピアノ伴奏は、

リーダーの面目躍如といえるし、

テンポの異なる冒頭の2曲

「1. ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ」と

「2. セント・ヴィタス・ダンス」のように、

ブルージーな響きでドライブしていく彼のピアノ演奏は、

とてもとても心地よい。


いつでもどこでも楽しめる名盤である。