我が家にもある同型の、バリゴの気圧計(温度計・湿度計)は、
ふだんは気圧はちっとも変化しないで面白くも何ともない。
しかし今は違う、
1000ヘクトパスカルを下回ろうというところまできた。
この気圧計は、980ヘクトパスカルまで目盛りが刻まれている。
しかし、その目盛りを振り切るほどの低い気圧の台風が近づいてきて、
近畿に上陸した。
ちょうど50年前、1959年(昭和34年)9月26日、
潮岬に上陸した台風は紀伊半島から東海地方に進路をとり、
伊勢湾の満潮と重なり、死者4697名、行方不明者401名という、
甚大な被害をおよぼした。
これが、伊勢湾台風。
それから2年後、1961年(昭和36年)9月14日、
室戸岬に上陸した強い台風は、大阪湾を北上していった強烈な風台風であった。
この台風を、第二室戸台風という。
私は、幼年期のこの二つの台風のトラウマで、
いまだに台風が苦手である。
50年ほどを経ても恐怖の風を、体の奥底でおぼえている。
長い間この世のものとも思えない、悪魔のような猛烈な風が吹きつづけた。
今現在、風が強くなってきて、不気味な音を立て始めているが、
私はあの強烈な風の音が、いまだに怖くて仕方がない。
2年ぶりに上陸した台風、
私の好きなリンゴやナシや柿や野菜に被害が出ないことを、
祈っている。
勤勉な社会人や学生諸君のために、
明日は会社や学校が休みになることを祈っている。
かく言う私は、ホテルに泊り込んでいる部下に申し訳ないので、
何が何でもオフィスに行かねばならない。
風がやんで青空が見えてから出かけていくということでいいかな、いいとも。