東京、ソウルに続いて、アジアで3回目のオリンピックが北京で開幕。
人海戦術と費用をかけた、いい開会式だったのではないだろうか。
古い打楽器を使ったおびただしい数の若者による演奏。
伝統的なコスチュームを身に付けた太極拳や優雅な舞。
文化の中心となる漢字や紙や巻物をイメージさせた、
マスゲームやCG効果が成功していて、
いかにも中国らしい古風で歴史の重さを感じさせる、華やかな開会式だった。
私たちの国はいつも地球の真ん中にある、ということを、
四千年も誇示し続けたお国らしい開会式だったのではなかろうか。
出演者がみな一所懸命で、それをまとめた演出家やスタッフが素晴らしい。
厳しいことを言うと、「鳥の巣」競技場の中だけに限っては、
中国という国の素晴らしい統一感を感じた。
入場行進も、だらだらとフレンドリーな雰囲気で、
微笑ましい感じだった。
1964年の東京、
古関裕而の作曲した「オリンピック・マーチ」で、
各国選手団が整然と行進を繰り広げたあの開会式が、
私の中では断然ベストワンではあるが、
今回の北京のようなのもいいのかもしれない。
日本選手団には、地元北京の声援はあまり期待できないだろうが、
唯一例外なのが、北京が第二の故郷ともいうべき福原愛。
何と言ってもこのスマイルが人懐っこい。