遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

モーツァルト:ピアノソナタ集/グレン・グールド

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昨日、石田衣良がグールド演奏のソナタK.331を聴きながら

童話を執筆していたのをTVで見て、この記事を思いつき書くことにする。


一家に一枚は、モーツァルトピアノソナタ集。


選択肢はふたつ、

1 このグレン・グールドと他の誰か(誰でもいい)の両方所有する、

2 もしくは、グールド以外の誰かのアルバムだけを所有する。


決して、グールドだけを持たないこと。


ちなみに私は上記「1」の選択肢、

グールドと他の誰か(内田光子)のソナタ集を保有


個性の比較、(ほんの一例)

■第8番イ短調K.310の第一楽章、

内田は8分4秒で演奏。

同じ楽章をグールドは3分14秒で演奏。

■第11番イ長調K.331の第一楽章、

内田は7分56秒で演奏。

同じ楽章をグールドは3分14秒で演奏。



他の誰の演奏を聴いても、

おそらく内田の演奏時間に近いものだと思われる、

グールドが個性的なのである。

この個性には何度出会ってもにんまり笑ってしまう、

もちろん彼は笑わそうとはしていない。

ピアノの音のみならず、時々彼の唸りも聞こえてくる。


私のように、にんまりする人もいれば、

彼の演奏を聴いて怒り出す人もいると思う。

だから、私は笑ってしまうのである。

彼は他人を笑わせようとはしないが、

他人が怒ることをいとわない人間である、ような気もする。



グールドと他の誰か(誰でもいい)の両方所有する、

だけど、グールドを聴いてしまう。


なぜかグールドの音楽からアマデウスモーツァルトの個性が立ち上がる。

だからグールドを聴いてしまう。



曲目
1. ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
2. ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330
3. ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲付」
4. ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調K.332
5. ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調K.333
6. ピアノ・ソナタ第15番ハ長調K.545