遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

耽溺者/グレッグ・ルッカ

イメージ 1

耽溺者(ジャンキー) グレッグ ルッカ 古沢嘉通 (訳) (講談社文庫)




「ようやく、ブリジットに会えた!

それが何よりも嬉しい。」

と、北上次郎

「彼女はベストヒロイン!

タフでクールなブリジットが文句なしにカッコいい」

石田衣良も、

異口同音に激賞する。



グレッグ・ルッカの「暗殺者(キラー)」は、

週刊ブックレビューで北上次郎が推薦していたので、

迷わず購入して読み、

私のブログで紹介すれば、 http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/47293681.html


「とおりすがり」さんから、

「検索で通りすがってお邪魔します。4作目の「耽溺者」は番外編とされていますが、

絶対にとばさないほうが楽しめますよ!

主人公が変るだけで話の流れは暗殺者→耽溺者→逸脱者です。」

とコメントをいただき、この耽溺者(ジャンキー)を読む。



ジャンキーとは回復不能になった麻薬常用者のことで、

身の丈が185センチもあり、ポルシェに乗る女探偵ブリジットは、

そのジャンキーから更生した主人公なのである。


彼女の友だちライザが事件に巻き込まれ、

囚われの身になったライザを救おうと、

真犯人を探しに、事件を究明しようと、

ブリジットは暗黒の組織にひとりで立ち向かっていく物語である。


ブリジットの恋人で、「暗殺者」などのこのシリーズの中心人物、

パーソナル・セキュリティ・エージェント(ボディ・ガード)の

アティカス・コディアックも登場する。


しかしこの1冊は、ブリジットの物語であり、

3部構成のうち、第1部と3部が、彼女の一人称で語られている。

第2部が、訳在って、アティカスの一人称でストーリーが展開する。



ブリジットの一人称を「あちし」じゃなかった、

「あたし」と訳したり、

友のライザに見事な気風の啖呵をきらせたり、

訳者の古沢嘉通の言葉選びも、全編に冴え渡っている。



本物のジャンキーには決してなってはいけないが、

原作者のグレッグ・ルッカ ワールドには「耽溺」していただきたい。