遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

シングルモルト

イメージ 1

私はほとんどアルコールと縁がない半生を歩んできた。


先日は、部門内でドリンク・フリーの宴席を持つ機会があったが、

ビールやワインの醸造系の酒がどうも苦手な私は、

メニューからジントニックを見つけ、

ちびりちびりとマイペースで飲り、2杯で十分満足したのであった。

ウィスキーの水割りもメニューにはあったが、

なんだかジントニックにしたほうが無難だと学習しているので、

そうしたのであった。



私の働き始めた30年ほど前は、

国産ウィスキー全盛時代であった。

いま、飲み屋で焼酎を飲むくらい普通に、当時はみなウィスキーを飲んでいた。

それが、今に比べるとそんなに安いものでもなかったような気がするし、

海外のウィスキーは、高嶺の花であった。


なので、当時の日本人は海外旅行に行くと、免税で激安となる、

コニャックや高級ウィスキーを決められた本数だけ持ち帰ったものだ。

いまはワインがそれに取って代わったのだろうか?



当時飲まれていたウィスキーは、ほとんどがブレンド・ウィスキーで、

スコッチのシングルモルトなどというものは、ほとんどお目にかかったことがない。


私の本棚にある1977年(昭和52年)発行の

「世界の名酒事典」(講談社)によると、当時の日本での価格は、

ブレンドウィスキーで、サントリー・オールドが2,200円、カティ・サークやヘイッグが3,300円、

ジョニー・ウォーカー黒ラベルが7,500円!、ジャック・ダニエル黒ラベルが8,500円!である。

シングル・モルトのザ・グレンリベット12年は、10,000円もした。


当時の所得水準からして、ずいぶんとお高いが、

飲み屋でボトルをキープすると、定価の2倍くらいはしたのであろうか。



現在、私んちのBARに居並ぶのが、画像のシングルモルトである。

画像左から、ラガヴーリン16年、

グレンキンチー10年、ザ・マッカラン12年、

1977年当時10,000円のザ・グレンリベット12年。


唯一自宅で飲むとすれば、シングル・モルトと決めているが、

何処の蒸留所のどのラベルが美味しいのかは、経験不足でよく解らない。


画像右の3本は万人向けの素直なあっさり系の風味だと思うが、

ラガヴーリンは、実に実に個性がある、ゆえに好き嫌いがあると思われる。

付き合ってみないとその個性とは出会えない。


現在のお値段は、2,500円位から、最も高いラガヴーリンの16年もので5,000円弱。


私が金持ちになったのではなく、スコッチの値段が安くなったのである。



画像の右3本の残量が少なくなってきたので、

グレンエルゲン12年(税込み3,890円)と、

タリスカー10年(同3,100円)と、

ダルウィニー15年(同2,890円)という

私にとっては未知の個性を発注したところである。


2007年残りの半年を、これらで過ごせることになる筈なのである。



(お酒は20歳になってから。)