ノートルダム(Notre-Dame, 英語はOur Lady)はフランス語で、
「私達の貴婦人」という意味で、聖母マリアに与えられた称号。
マリアを崇拝するのだから、当然にカソリック教会なのである。
寺院は1163年に着工し、約180年かかって完成したと言われている。
バロセロナのサグラダファミリアが、長いと言われて、まだ120年余りの工事期間であるから、
なんとも気の長い話である。
反対側に位置するのがオランジュリー美術館。
オランジュリーの目玉は、地下の壁に壁画の如く横に長く描かれた「睡蓮」の連作である。
しかし、素敵な小品も数々所蔵されている。
彼26歳の、1909年に描かれた作品である。
ユトリロの、モンマルトル界隈の白い壁の建築物の絵画群は、
広く知られている。
それらとは少し趣を異にする「ノートルダム」
私はこの作品が気に入っている。
端整な1対1.618の黄金比で成り立つ寺院の正面を、
真っ向から描いた直球勝負の潔い作品である。
パステル調の淡い色合いも、モダンで上品でおしゃれで、
そういえばこういう色合いかなぁと、
観るものを納得させてしまう説得力である。
ま、被写体の建物自体が素晴らしい芸術作品だからむべなるかなと、
納得するしだいでもある。