遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

きょうは「戦没者を追悼し平和を祈念する日」です。 黙祷

戦後50年経った2005年、私の父親がある病院に入院してリハビリ中でした。父親の病室に、大柄な老人男性が入院していましたが、その方は太平洋戦争時に招集された元軍人だったようで、ベッド脇の奥さんに戦争体験を話しているところに遭遇しました。

この方はかなり高齢でしたが、繰り言のような戦争体験話のようにも感じられ、奥さんは常時その体験話を聞かされているのだろうかと思ったりしました。

同年代の奥さんは、非常に上品で知的な物言いをする方で、夫に「あなたこれどうなさいます」「よろしゅうございます」みたいな言葉使いで話されていました。

その男性の戦争体験話は、病気か飢餓戦死した戦友のことでそれが犬死で気の毒だったみたいな内容でした。そしてその戦友の家族には亡くなった方は「名誉の戦死」ではなかったと国が正直に報告したことについて、50年後の病院のベッドで怒りをあらわにしていました。

戦死と戦病死では、後の家族に支払われる補償(弔慰金や年金)の額にも差があるのでしょうが、無辜の市民が戦争に駆り出されて亡くなったことに変わりはないのですから、区別なく遺族に手厚く補償して死後の名誉も重んじるべきでありました。

 

日本人死者は、310万人(軍人・軍属が230万人、民間人が80万人)に達し、その9割が1944年以降の戦争末期に集中して亡くなったと推算される。
そのほとんどは戦闘で「名誉の戦死」をしたのではない。30万人を超える海没死、異常に高い餓死・戦病死(戦死の6割以上と言われる)、そして特攻──。

 

きょうは、その先の大戦において亡くなられた方々を追悼し平和を祈念する戦没者を追悼し平和を祈念する日です。

無辜の市民が戦争に駆り出される日が来ないことを祈り、二度とこんな日が制定されることのない日本でありますように...  黙 祷 

 

 

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