遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

元棋士の橋本崇載の逮捕は離婚後の共同親権が原因か

将棋棋士橋本崇載(たかのり、39歳)が、元妻への名誉毀損容疑で逮捕された。

橋本が2021年に棋士を引退すると発表した時は驚いたが、なぜか彼のキャラ的にはそういうこともあるかなとも思った。その際に自分のYoutubeチャンネルで語っていたことは、子どもを妻に連れ去られたので子どもをとり返さなければならない、みたいなことだった。

彼の個人的な問題は全く知らなかったので、将棋とはあまり関係ない私生活のことが原因で引退するようだった。彼は将棋プロ養成機関の奨励会三段リーグを比較的早い5期(2年半)で抜け、18歳で四段のプロ棋士になっていて、順位戦ではA級にまで上り詰めたこともある実力者だったし、彼の解説する将棋は語彙が豊富で楽しく面白く見ていた。また、金髪にするなど見るたびにヘアスタイルが違う印象があり、棋士には珍しいタイプの独特なスタイルを持っていた。

橋本崇載は、元妻に対する共同親権を要求していたのだろうが、元夫婦と実子との関係を平和に解決する道を探ることを選択せずに、逮捕されるような行為を選択したのだろうか。その筋は「詰みがなかった」のではないだろうか。

私としては、離婚しても将棋を続けて遠くから子どもさんをサポートし続けてほしかったと思うばかりだ。まだ起訴されるかどうかは分からないが、人並外れた才能が泣いていることだけは間違いないだろう、残念なことである。

共同親権について信頼できる専門家で憲法学者木村草太から学んだ付け焼き刃的な知識によると、日本で共同親権について認めることはまだ法的に諸問題があって、例えば夫のDVから逃げている母子の安全性や人権について法整備が十分でなくて問題があるようだ。

とりわけ、父親(とその暴力)から距離を取りたいと思う子どもの意思、つまり子どもの人権が担保されていないことのようだ。海外の映画やドラマによくある、月一回パパとデートする子どもたちが生まれる土壌があまり整ってないのが現状なのだ。

ところで、17日は、福岡は博多駅前で男女のもつれで女性が亡くなった事件の続報が流れたり、和歌山では夫婦喧嘩の末に自宅に火を放った夫婦が、20歳の実子を焼死させる事件が起きている。

年末には、北戸田駅での母子の心が痛む悲しい電車事故(心中)のことを記事にしたが、日本はなんだか淋しくて哀しくて荒んだ国になってしまった感がある。

犯罪事件の絶対数は減ってきているのだけれど、「これが我慢の限界だ!」とキレてしまった勢いでの凶悪な犯罪や事件が増えてきているような気もする。

なんとかならないものかと、誰に訊いたらいいのかもわからなくなってきて空しいのであった。


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