遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

東京五輪疑獄は留まるところを知らず、大阪万博に飛び火することを恐れています

今朝の新聞各社の朝刊は、「東京地検特捜部 KADOKAWA角川歴彦会長(79)を贈賄容疑で逮捕」記事が一面を占めたようでした。

五輪にたかるハエのような企業が、高橋治之五輪理事に袖の下を渡して五輪特需のおこぼれをちょうだいするという分かりやすい構図で、そんなこと経営者でなくても誰でも考え付くことですが、続く不況で会社経営がにっちもさっちもいかなくなってきたことの表れでしょうか。

角川歴彦(つぐひこ)は、兄春樹と喧嘩別れして角川書店角川映画も?)を引き継いだお方くらいの認識しかなかったのですが、その認識もおぼつかないものです。今回の逮捕で久しぶりに彼の風貌を認知しましたが、姉の辺見じゅんによく似たお方だったかというくらいの感慨しかわいてきません。

それにしても、KADOKAWAの夏野社長や、今回逮捕された二人の役員たちの外見を見ただけの思いで言うと、彼らは学生サークルの乗りで会社経営をやっているんじゃないかという勝手な想像がはたらきます。社長は逮捕されていませんが、悪いことをしたとか逮捕されたからという先入観がそう思わせるのかもしれません。

しかし、本は売れないし映画はサブスクに押し倒されるし、アナログ主体の出版社なら確かに厳しくて大変な経営を強いられているでしょうね。だからこそ、高橋治之に6900万円渡せば当座の利益が賄えるとなれば、贈賄は安易な選択的投資です。しかも高橋は、安倍や森喜朗の腰ぎんちゃくだから絶対に逮捕されない重要かつ安全な人物のようだから、安い買い物だと闇の経営会議では30分で結論が出るような案件だったのかもしれません。

ところで、高橋治之の弟はあの長銀を潰した男と呼ばれた高橋治則だったことを治之が逮捕された後に知りました。こちらは、角川兄弟とは違って仲の良い兄弟だったようです。

兄よりずっと早くにビッグで有名だった弟治則ですが、59歳で急死しています。目立たずおいしい仕事を着々と続けていれば、兄のように長生きできたのかもしれませんね。

それにしても兄の治之は、安倍晋三という後ろ盾をなくしたので逮捕されたのでしょうか。そうだとしたら、それはそれでいろいろ困ったシステムですが、高橋が逮捕されて芋づる式に東京五輪特需にたかってきた悪徳代官のような企業や関係者が今後も表に出てくることはなかなか痛快でもあります。

NHKのドキュメンタリーで「五輪反対デモに金で雇われて参加した」というテロップとある男性をシンクロさせて出演させていた問題で、BPOは「事実と違うことをテロップで流した」としてレッドカードを挙げましたが、「私たちは裏金を渡して五輪のスポンサーになった」というスキャンダルが闇に葬られることなく表に出てきたことは喜ばしい限りです。

ということで、巨額の税金をどぶに捨てる形になった(どこかの企業の内部留保や闇商人の懐に消えた)東京五輪ですが、2025年の大阪万博はそんなことがないようにお願いしたいものです。今回、五輪贈賄疑惑で家宅捜索を受けた電通と深い関係になる広告代理店「大広」は大阪が地盤ですから、大阪万博からもぷんぷん腐臭が漂ってきます

大きな疑獄と失望をもたらす前に、大阪万博は開催中止の方向で世論が盛り上がることを期待しています。