遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「勝共連合」「統一教会」は政治や宗教の名に隠れたまやかしの集金システムです

北朝鮮金正恩の妹、金与正(キム・ヨジョン)は談話で、非核化の見返りに経済支援を行うとする韓国の「大胆な構想」について、「絶対に相手にしない」と明確に提案を拒否しました。また、尹錫悦韓国大統領のことを「愚かで未熟すぎる」と一蹴しました。

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国民に満足な生活を与えることなく、核開発に血道をあげることの方がはるかに愚かなことなのだが、北朝鮮の愚かな常識はどこかトランプやプーチンに通じるところがある。

ところで今話題の統一教会が日本の右翼と作った国際勝共連合は、1960年代に共産主義を絶滅することを目的に作られた組織ですが、実は統一教会文鮮明にしてみれば組織の名称や目的より日本での集金システムの足掛かりがあれば何でもよかっただけのことのようです。

そうはいっても、勝共連合が作られた60年代は冷戦の真只中で、とりわけ当時アジアの経済大国になりつつある日本はソビエト、中国、北朝鮮という地続きの3国は、資本主義を脅かすものとしてかなり神経質になっていました。

しかし、冷戦が終わったいまとなって、共産主義に恐れおののく必要があるでしょうか。

ソビエト共産主義を捨ててロシアになり、プーチンは私腹を肥やすロシアンマフィア的大統領だし、中国は金満大国になったし、ベトナムは武器を捨て経済に舵を切った資本主義の色合いが濃い共産主義だし、共産主義的な名残があるかないか程度の国になっただけのことです。

そして、北朝鮮にいたってはいまや共産主義ではなく金日成ファミリーによる専制独裁国家になりました。「大胆な構想」を批判した金与正が北朝鮮の次の指導者に一番近いのかもしれませんが、とにかく金日成の血脈による独裁政治の継承者なわけです。

私は日本共産党の党員ではありませんが、いまだに共産党のことをアカ呼ばわりする人たちは、単にその党名の印象を引きづっているようですし、だから勝共連合のような組織が必要だと考えているのでしょう。まことに私の考察は幼稚なものかもしれませんが、今どきアカを嫌ったり、ましてや暴力革命を67年も前に放棄し選挙で政権を取ろうとしている日本共産党を毛嫌いする理由が見当たりません。

暴力革命を放棄したとして日本共産党を批判する左翼は存在するのですが、そんな生きのいい左翼は姿を消しました。ですからもう「勝共連合」や「統一教会」のような政治や宗教の名に隠れた「まやかしの集金システム」は壊滅させるべき時期だと思います。

金与正の談話のニュースを聞きながら、そんなことを考えていた今日この頃であります。