遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

君と僕が見たまったく「違う未来」が今到来!/安倍の失政・ロシア編

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ロシア軍の攻撃で完全に破壊されたマリウポリの劇場(破壊前)

ロシアの侵略によりマリウポリウクライナ南東部)の一般市民に多大な被害が及んでいるようで、マウリポリは、まるでシリアのアレッポみたいに痛々しいことになるような予感がして不安になる。

プーチンは、ウクライナでの全体的な作戦で下手を打ったことについて夜も寝られないほど反省しているのではないだろうか。早く平和になってほしいものである。

さて、朝日新聞は「ロシアが日本との北方領土交渉を含む平和条約交渉について「継続する意思はない」との声明を発表したことで、日本は対ロ外交の戦略の練り直しを余儀なくされる。」と伝えている。

2019年27回目のロシアとの交渉を得た安倍が「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」と式典の演説で締めくくったが、あの時夢見た未来はこういうことだったのかと言わざるを得ない。日本の馬鹿とロシアの馬鹿な悪党が交渉するとこういうことになるのだ。

安倍は、ロシアが望む極東での経済協力をテコにして北方領土交渉を進めるという道筋を描いた。もちろんのこと、無能な安倍が「道筋を描ける」はずもないが、安倍周辺にいたアベノミクスなどを考えたこれまた無知無恥無能な補佐官や秘書官が描いた道筋のまま、バカ殿が何のためらいもなく自分の頭で何も考えることなく駆け抜けていっただけのことだった。

朝日の記事を「安倍のロシア外交失敗史」としてまとめると以下のようになる。

2014年
ロシアによるクリミア併合
欧米各国がロシアに対して厳しい制裁を科したが、安倍政権はプーチン氏との交渉を進めたいため、査証(ビザ)協議停止など「ロシアに実害が及ばない制裁」(外務省幹部)にとどめた。
欧米に比べてあまりに緩い制裁に、当時のオバマ米政権の幹部が不快感を示したこともあった。

2016年5月
ソチを訪ねた安倍は「新たな発想に基づくアプローチで交渉を進める」と発言。エネルギー開発や極東地方の振興策、先端技術協力など8項目の「経済協力プラン」を提案した。

2016年9月
9月、新たに「ロシア経済分野協力担当相」を新設し、側近の世耕弘成経済産業相に兼任させた。閣僚ポストに具体的な国名が入るのは極めて異例。

2016年12月
プーチンを日本に招き、地元・山口県長門市と東京で2日間にわたり首脳会談を実施。北方領土返還交渉の機運をつくろうと、北方四島での日ロ共同経済活動を提案したほか、8項目の「経済協力プラン」の推進を確認した。

2018年
シンガポールでの安倍・プーチン会談で、返還交渉の切り札として、日本がこれまで掲げてきた「4島返還要求」を封印。事実上の「2島返還」にハードルを下げて交渉することを提案。これには自民党のなかでも反発があったが、「首相主導」の外交を押し通す。
これに対しロシアは、「第2次世界大戦の結果、合法的にロシアに(4島の主権が)移ったと日本が認めることが第一歩だ」(ラブロフ外相)と安倍政権を揺さぶりを続けた。
以降、安倍は「北方四島」「日本固有の領土」といった表現を使わず、19年度の外交青書では「北方四島は日本に帰属する」との文言を削除。ロシアを刺激しないように譲歩と配慮を続けた。

一方、ロシアは北方領土で砲兵部隊などの軍事演習を行うなど軍事拠点化の動きをみせた。20年7月の憲法改正では「領土の割譲禁止」を盛りこんだほか、21年9月には、プーチン北方領土経済特区を創設する構想を打ち出す。

ということで、安倍路線を引き継いでいくとやばいことになりそうだとようやく岸田政権も気付いたようで、舵を切る決意をするかしないかという所に漂着したようだ。

しかし時すでに遅く、安倍が8年にもおよぶ失政を誰も止めなかったことで、北方4島と数千億の金がプーチンに流れていったという結果となった。

日本列島の「頭」の部分にロシアのミサイルが配置されようとしていて、「足元」に米軍のミサイルが配置されようとしていて、無防備な「脇腹」には北朝鮮からのミサイルをお見舞いされそうなことになったのは、相手国の悪党ばかりのせいではなく、我々の政権政府(とりわけ安倍政権政府)が単なる馬鹿だったことによるものだということなのだろう。

返す返すもこの失われた10年が残念でならない。復興するには100年くらいかかりそうだ。