私「スエズ運河の通航料金いくらくらいやと思う？」
妻「想像つかいないけど、百万とかかな」
私「だいたい４～5千万円」
妻「一隻１回で？（驚愕！）」
そうなんです。
スエズ運河（パナマ運河も）の通航料金は高いのです。http://www.jsanet.or.jp/report/pdf/r20180926.pdf
2017年ですと、日本の船は1,045隻がスエズを通過し、支払総額 420億円で、一隻平均は約4千万円に上ります。
そのうちコンテナ船は、417隻で一隻平均の通航料金は52万ドル（約58百万円）と、平均を大きく上回ります。コンテナ船は大型で積み荷が多いので、料金は高くなるそうです。
それでも、南下してアフリカの喜望峰を経由するより5～7日節約できるようです。ロンドンから日本の距離で換算すると、運航距離は24%も短縮されます。なので、年間で1万8千隻の船がスエズを渡るのです。
ただ、費用だけでいいますと喜望峰を回ったほうが安くつくそうです。昨今の船余り状況で船賃を買いたたかれた運航会社は、スエズを渡れなくなってきているそうです。
いま日本のコンテナ船がスエズ運河を斜めに塞いでしまっていて、3月23日から運河機能が何日にもわたって不全状態になっています。
損害賠償額は数百億円だろうというニュースを目にしたのは、今回の座礁事故の初期の頃でしたから、その後回復に手間取っているので賠償額はどうなっていることでしょう。悪天候が原因で、保険もかかっているでしょうから、最後に泣くのは保険会社かな？
ところで、今回座礁した船は「パナマ船籍」のコンテナ船でした。
実質は日本の船なのに「パナマ籍」なのはタックスヘイブンを享受するためで、さまざまな租税が節約され規制を免れるようです。日本の船の実に60％がパナマ船籍だと言います。そのほかリベリア籍の船も多く存在します。
そして、運航を任されているのはこれまた費用節約のために、台湾やフィリピンの企業です。パナマ籍にすれば賃金の安い外国人船員を乗せることができ、運航費用も安くつくわけです。
日本で立派な船を所有していても、税金はパナマに収めデッキには雇われている日本人は乗っていないという状況です。日本経済を象徴する現象が日本の船のなかにも存在しているという悲しい状況であります。
昨年、モーリシャスで座礁し原油を流出させ、美しい自然をめちゃくちゃにしたのも日本の船でした。あの「ＷＡＫＡＳＨＩＯ」という貨物船を運航していたのも外国人でした。
いまやパナマ船籍の日本の船は、海賊船よりも危険な乱暴狼藉を働くと恐れられているとかいないとか。
ということで、日本の船は世界中で顰蹙を買っているのですが、日本国自体もさまざまな面で顰蹙を買っているようにも思います。
長い間「船長」が無能な「日本丸」は間もなく座礁しようとしています。
