遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

オーストリア大統領選、親EU派が勝利

イメージ 1

「反エスタブリッシュメント・反難民」を標榜するトランプを代表とする極右勢力が台頭著しいが、オーストリアでは、EU派で「緑の党」の大統領がなんとか勝利したようで、イタリアの改憲に係る国民投票は、反EUの極右が勝利したので一進一退だが、まずは事なきを得た。

■私も、エスタブリッシュメント(支配階級・特権階級)なんて大嫌いで、その裏返しとして馬鹿にされないために遠いところからキャンキャンと馬鹿にしている。だけど、「反エスタブリッシュメント」を掲げる極右は、なぜかエスタブリッシュメントになれなくてこぼれ落ちた半端な連中というだけのこと。特権階級のスマートさを目にして、地団太踏んで悔しがって見境なく叫んでいたら、いつの間にか祭り上げられて英雄になりかかっていた、だけのこと。

韓国の朴大統領問題も、彼女自身は私利私欲に走らなかったが、結局は「特権階級はずるい」というところに国民の不満が集中しているのだろう。ヒラリー・クリントンが嫌いな米国の有権者も、彼女の持つエスタブリッシュな雰囲気が鼻持ちならないのだろう。地球上に特権階級に対する嫉妬が蔓延しているのをどうしたらいいものか。極右に頼らない解決方法はないものだろうかね、日本の野党議員の皆さん。

■私だって、移民に仕事を代わってもらうからお前はクビだと解雇されたり、自宅近くの公園で多くの難民がキャンプしていて異臭を放っていたとしたら「反難民」思想になるかもしれない。だけど、敗戦時の都市部の多くの日本国民は、住むところを失い着るものも食べる物もない、ほとんど難民状態だった。朝ドラ「べっぴんさん」にも出てきた戦後の混乱期の大阪梅田の闇市を見ていると、まるで難民キャンプである。近代的でおしゃれな大阪の玄関口梅田が、難民キャンプの様相を呈していたのである。

だから難民を受け入れる寛容さに似た優しさは、かつてどこかの時代でどこかの地で先祖の誰かが難民だったであろうすべての人類に、かすかに残っているような気もする。日本の労働力不足は、すでに一部の職種で顕著になってきていることを思えば、少子高齢化の対策のひとつに「移民や難民を受け入れ」て納税者になってもらい先に住んでいた私たちのインフラや公共サービスに貢献してもらうというのもありだと思う。この意見、どうだろうかね、日本の野党議員の皆さん。