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あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

いくらボスでもダメなものはだめ

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最高学府のプライド守る 下関市大の修士論文審査結果 中尾市長は不合格 

 下関市の中尾友昭市長が学位取得を目指して下関市立大学大学院経済学研究科に提出していた修士論文が審査され、不合格判定を受けていたことが明らかになった。
 33人の教授や准教授らで構成した研究科委員会のなかで、合格をつけた委員が18人、不合格をつけたのが7人、その他の8人が白票を投じたと見られ、規定の3分の2の同意が得られなかった。設置者である自治体の首長がみずから大学院生として籍を置き、自身が任命した理事長(学長選で落選した後、市長の指名により昇格した)を指導教官にして学位取得の受益者になるという、公私混同も甚だしい振舞が問題になっていたが、自慢話に修士号を与えることなどできなかった。最高学府の尊厳を守る対応となった。(長周新聞 2015年3月9日)


これはツイッターで見つけた、下関市の市立大学大学院に籍を置く下関市長の提出した修士論文が審査され、不合格になったというニュース。

市長が提出した修士論文は550ページにも及ぶ大論文だったようだが、口頭試問もあり、判定委員の3分の2以上の同意は得られず、修士号は与えられなかった。

苦労してようやく得たかもしれない下関市立大学の教授や准教授の地位にあれば、体制的には下関の長を「合格」としておけば先生たちの立場も無難であったろうが、「だめなものはだめ」と合格にしなかった。腰砕け教授なら、市長の大論文を不合格にするには勇気がいるのだろうが、NGの決断はなかなか勇気ある行動である。

この審査が、もし多数決で決まるなら、市長は晴れて合格となっていた。しかし、国会での憲法改正発議規則と同じで、3分の2以上の同意がなければ不合格判定となるというものだった。ぶれずに正義を貫いた先生方に花丸を差し上げたい。関係ない話だが、国会のとりわけ自民党の先生方も、首相に対してダメなものはだめとはっきり物申していただきたい。

ところでその550ページに及ぶ下関市長の立派な論文、長周新聞はその論文内容にも触れているが、興味がある。私も読んでみたい、時間の無駄かな。