
岐阜県美濃加茂市で昨年8月、除草用に飼われていたヤギを盗んで食べたとして、窃盗罪に問われたベトナム国籍の無職ブイ・バン・ビ被告(22)と、同レ・テ・ロック被告(30)=いずれも愛知県春日井市=の判決公判が27日、岐阜地裁であった。四宮知彦裁判官は「安易で身勝手な動機で責任は重いが反省し、更生の意欲を示している」と述べ、2人に懲役2年執行猶予3年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。
(朝日新聞 2015年2月27日)
日本に行けば、週五日働いて月給20万から30万円もらえるという甘い言葉に騙されてやって来たベトナム人。長野の農業会社では、一日20時間も働かされて月給は6万円。その農業会社を逃げ出して、食うに困りヤギを盗んだという。こういう話は、他の国から連れてこられた人にもあったのではないか。
騙されて食うに困ってヤギを食べた二人の被告が悪なのか、彼らをだまして100万円を払わせ日本へ連れてきたベトナムのブローカーが悪いのか、劣悪な環境で長時間働かせた長野の農業会社が悪いのか。ヤギとその飼い主には申し訳ないが、ベトナムの若者2人は、どちらかと言えば被害者だと言えないだろうか。私はこれは由々しき問題だと思う。
「農業会社を逃げ出した後、土木会社に頼み込み、仕事をさせてもらった。日本人はやさしい」。彼らの言葉が救いである。
岐阜県美濃加茂市への浄水設備設置をめぐる贈収賄事件で、事前収賄などの罪に問われた市長の藤井浩人被告(30)に対し、名古屋地裁(鵜飼祐充裁判長)は5日、「贈賄を認めた業者は、現金授受に関して事実を語ったか疑問だ」として、無罪(求刑懲役1年6カ月、追徴金30万円)の判決を言い渡した。
鵜飼裁判長は最後に「市政に尽力されることを期待します。頑張って下さい」と藤井市長に語りかけた。(朝日新聞 2015年3月5日)
また検察がやってしまった。贈賄を認めた業者の言葉を鵜のみにして、市の誇りである若き市長を起訴したのである。しかも、検察側から見れば、無所属で当選したものの自ら進んで自民党に入った好青年なのにもかかわらずである。
取り調べの際には、『「美濃加茂市を焼け野原にしてやる」といった脅迫や「こんなはなたれ小僧を選んだ美濃加茂市民の気が知れない」といった美濃加茂市民を侮辱する発言が繰り返されました。』と藤井市長は手記に表わしている。このことは発言主の実名を出して質してほしい。
また、同手記で「そのような中でも、留置場をはじめ警察官の方々の丁寧で真摯(しんし)な対応には、改めて現場で働く人たちの大切さを感じることができました。」とも書いている。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」という感性ではない好青年である。良い政治家を続けていってほしい。