遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

世界中で愛される日本国民だったのに

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日本は原爆投下により無実の平和市民が大量に殺戮された経験を持つ、世界唯一の被爆国である。人を大量殺戮するために核が使われた例は、人類史上2回を数えるのみで、広島と長崎以外に例がない。
少数のひまな外交能力のないバカな人間たちが、満州事変や太平洋戦争を始めた。不幸にも敵味方に分かれた戦争当事者たちが悲惨な苦しみを味わった大戦は、無実の市民の大量殺戮で終わりを迎えた。(原爆投下に先立ち、東京や大阪をはじめとする大空襲の戦火でも大量の戦死者が出た。外地では無実の若い日本兵が、あろうことか大量に餓死した。)

それでも日本は、戦後70年を平和憲法とともに歩んで、世界有数の経済大国にまで復興した。教育や医療やインフラが行き届いた豊かな大国に生まれ変わった。いわゆる西洋人たちに、差別的に武力で痛めつけられたにもかかわらず、復讐することはなく我慢強く控えめで平和を尊ぶ日本国と日本人に、イスラムの人たちはある種の尊敬を一様に抱いているという。

戦後、日本人は幸せになるために頑張って頑張って、国として一人前になった。日本国のパスポートを持つ国民は、世界中で最も尊敬され歓迎される人たちであることは、今も変わらないと思う。礼儀正しくて争うことを望まなくてお金もそこそこ持っているということで、世界で最も輝いているパスポートを持っているのが、日本国民なのだ。(若者たちが、そんな五つ星パスポートを持って海外に出て行かないのが残念でならない。)

そういうイメージが、たった数年で覆されそうになってしまった。そんなイメージが過去のものになってしまいそうになった。あの戦争を始めたのと同じように、少数の人間によって。

中東から帰ってきた安倍首相は、今日の閣議の冒頭で、イスラエルでの記者会見の冒頭にコメントしたことと同じことを喋っていた(資料の棒読みだった)。台所にいたうちの女房がその棒読みセリフを聞き、それ昨日の記者会見と同じやん!、と一人で怒っていた。娘は、この首相の顔を見ると虫唾が走るそうである。
自分が馬鹿なら、まともな人間を周辺に置けばいいものを、周辺も同じ程度というのが、国民の悲劇である。

集団的自衛権の必要性を分かりやすく国民に解くために、海外から米艦で帰還する日本人の人命保護を利用した安倍首相。あれは絵に描いた詭弁。しかし今回の人質救出作戦は現実なのである。イスラム国の人質が生きて還って来なければ、この首相に次のステージはない。あってはならない。