遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

誰かがボタンを押して、ドカン

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凶弾は地対空ミサイルとみられている。破壊のための道具に、普通の人々の営みはひとたまりもない。悪い道具をもてあそぶ者は絶えず、世界中で多くの命が未来ごと消えていく。誰かがボタンを押して、ドカン。いつまで繰り返すのか。それを。
本日の「天声人語」から)


ご覧の画像が、マレーシア航空の17便を撃墜したとされる地対空ミサイル「BUK(ブーク)」である。昨日は、何度もCNNで目にした。

ミサイルの大きさはコンパクトで、画像のキャスターとミサイル弾の大きさは、ほぼ等身大で表示されている。このミサイル弾は、キャタピラーなどに発射台と4本のミサイルを乗せて簡単かつ機動的に発射操作・移動できるという。
長さ  16F(4.87m)
重量  1500ポンド(680㎏)
爆薬量 154ポンド(69kg)

CNNのコメンテーター曰く、「このミサイルの時速は2684マイル(4320㎞:音速の3倍)で、30マイル(50㎞)を40秒で飛べるので、マレー機の搭乗客は何も知らないうちに撃墜されたと想像できる」。

おそらくは、ウクライナの「親露派」の誰かがボタンを押して、298人の命を一瞬で奪ったのだろう。民間のマレー機だという認識もなしに、撃ち落としたのだろう。

「悪い道具」を持つとそれを使いたがる輩がいて、それも誤った使い方をする輩がいて、そういうことが重なると「大戦」が始まるかもしれないことに気付かない輩が武力のそばにいる危険を、私たちは常に認識すべきだろう。

ニュース映像ではいつになくおどおどと落ち着かない様子に見えるプーチン大統領は、マレー機にアメリカ国籍の乗客がいなかったことに少しは安どしているかもしれないが、マレーシアや多くの犠牲者を出したオランダやオーストラリアや良識ある国際社会は、ロシアに今回の事件の解明もしくは解決のための協力を強烈に迫るべきであろう。ウクライナで起こった非人道的な事故について、徹底的に調査をして国際平和と犠牲者のために、その真相を明らかにしてもらいたい。

今回押された無知の「ボタン」は298人もの民間人の命を奪ったが、武力がある限り「ボタン」は消えなくて、三度目の「核の大きなボタン」が押されることがないよう、私たち日本国民は切に祈りたい。

マレー機事故についての国際的な怒りや詳細な調査が、新たな平和の道への足掛かりになれば、298人の方々の犠牲も無駄にはならないのかもしれない。合掌。