遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

首相の焦りが改憲の困難さをあらわしている


60年間もの間、政府や法制局が憲法9条に反するとしてきた「集団的自衛権」を、閣議決定憲法解釈すると豪語してきた安倍首相が少しトーンダウンしてきた。閣議決定の前に国会審議するとトーンダウンしてきた。

いまだに集団的自衛権違憲だと答弁する内閣法制局長は、私より偉いのか。私は選挙で選ばれた国のトップだと、衆院予算員会で豪語して1週間も経たないうちに、「やっぱ先に国会で審議いたします」と腰砕けになっている。

さらに、与党公明党政調会長が、安倍政権が目指す集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈の変更について、事実上待ったをかけた。政調会長個人としてではなく、公明党の全体意見として発言しているのだと思う。

安倍首相は、憲法96条改正を先行しようとして、世論や識者に待ったをかけられ、結局お蔵入りになってしまった。
そして、今回の集団的自衛権をめぐる解釈の捻じ曲げ画策も、不調に終わりそうになっている。

世論調査朝日新聞)もはっきりとしていて、憲法解釈を変えて集団的自衛権を認めようとする動きには、はっきりとNOと言っている。特に女性の反対は圧倒的だ(賛成17%、反対64%)。

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安倍首相は改憲への地固めにあせっていると見る向きもあろうが、どちらかというと「改憲はとても無理だから、少し違う方向から攻めていこう」という姿勢に見える。

この焦りは、とりもなおさず、「憲法改正はとてもじゃないが無理だ(汗)」と思っていることへの裏返しだろうと思うのである。

国連加盟の193か国中、集団的自衛権を認めていない国はたった1か国。日本だけである。
日本は、そんな特別な国なのである。素晴らしい憲法のおかげでなのある。