少し前の話になるが、今年の正月、
1月1日のBSハイビジョン放送で、午後8時から放送されたのが、
「100年インタビュー」。
100年後の日本人へメッセージを残せるゲストが毎回主演するこの番組、
文楽は、江戸時代に大阪で発祥。
太夫の役割は、物語全体の流れを作り、老若男女の別なく会話や心理までを語り分けること。
まさに、長い修行を必要とする職人技だ。
そうした厳しい世界で、80代で現役太夫を務めているのは、住大夫が史上初。
さらにさかのぼるが、2007年に放送されたのが、
竹本住大夫がゲスト出演し、二人の一対一の初競演が映像化されたものだった。
私はこの番組で、始めて浄瑠璃の奥深さに接した、
稽古でのこの二人の息の合わせ方に、芸とはこういうことなんだと感心した覚えがある。
芸術を(「仕事」でも同じ)を作り上げるとはこういうことなんだと、
感動したのだった。
チャンスがあれば、この二人の舞台を見たいと思ったのだが、
この夏そのチャンスが到来した。
◆サマーレイトショー
この6人は全員人間国宝である。
私のような素人客に、劇場は字幕サービスを行ってくれるらしく、
それならその親切に応えようと、チケットを取った。
本当のところは、とにかく訳がわからなくてもいいので、
この6人の出演者がどのように登場してくるのかよく判らないが、
不思議な空間に足を踏み入れるのを、今から楽しみにしている今日この頃である。