遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

鵜飼/長良川

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せっかく岐阜まで来たのだから、

ディナーは長良川名物の鮎でもいただこうと、

これまた食べログで見つけておいた、とあるお店近辺に。


陽は大きく傾き始めたので、涼しげな長良川へ散歩にいくと、

遠くに「ざわざわ」な、雰囲気が。


長良川」に「鮎」を食べに来て、

不覚にも私は「鵜飼」をイメージできていなかった。

ざわざわな雰囲気は、そろそろ鵜飼見物の屋形船が出ますよ、というものだった。


物見遊山に、屋形船の切符売り場で鵜飼の終了時刻を問えば、

8時30分ころと言う、残席はあるという。


鮎を食べるのをあきらめれば、鵜飼を見る時間が手に入る。

鮎はいつでも食えるが、鵜飼を見るチャンスは後にも先にもこれが始めて、

迷わずお一人さま3300円の乗船券を購入。

7時15分の一番遅い出船グループのひとつの屋形船に席を取った。


以前から印象的だと心に残っていたのが、鵜飼の篝火(かがりび)だった。

ろうそくやたいまつの光や薪能のかがり火と同じく、

あの自然で優美なオレンジ色に、心惹かれるものがある。


マイ・デジカメのフラッシュ発光方法が分らなかったので、

かがり火の光だけを頼りに、無光撮影を敢行。



屋形船を並べて静かに鵜飼の主役「鵜舟」(6隻だった)を待つ間の、

静かな長良の川面を渡るさわやかなやわらかな風の匂いと、

浅瀬のなめらかな川底石まで光を透過する長良の清流!!に、

忘れ難い思い出となった。

観光色の強い催しと言えなくもないが、

鵜舟の篝火は、私を幻想的な季節情緒のある幽玄の世界へいざなってくれた。
  

この川の自然が永遠に続きますようにと、願わずにはいられない。