遥かかなたの西の空の下に住む友から、
カンボジア土産の画像が届く。
みごとなアンコールワットの写真。
写真の腕前もさることながら、
見事なのはアンコールワットとそれを包む自然なのである。
あの何本か美しい天に向かって突き出ているものは、
仏教寺院には欠かせない「塔」である。
サンスクリット語では「ストゥーパ」といい、
インドやタイやミャンマーには、このストゥーパはいたるところで見られる。
かつて、ミャンマー旅行から帰ってきた職場の同僚の写真にも、
たくさん写っていたのを思い出す。
このストゥーバを漢字にすると、「卒塔婆(そとば)」となる。
卒塔婆は塔婆とも言い(私の地元では塔婆と呼ぶ)が、
それは我が国では、どのようなものかご存知であろうか。
これである→http://www.oterasan.jp/html/03_print_contract.html
卒塔婆に書かれているデザイン的な文字は梵字で、
僧侶はこれが書けないと一人前とはいえないのだが、
近頃はPCプリンタの大きなやつで、さらりと書けるようである。
インドなどで石で作られた卒塔婆は、
日本に渡来して木(ヒノキ)でつくられるようになった。
卒塔婆が塔婆となり、
五重塔や多宝塔となり、
やがて単に「塔」と呼ばれるようになる。
塔は、地上と天上を結ぶ象徴としてのモニュメントであり、
従って単なる高い建物というわけではなく、
人を天上へと運ぶというような意味もある。
墓に立てる最も小さい卒塔婆から、
大きなものは、寺院の五重塔とあいなる。
高貴な人が亡くなったり、
たくさんの人の霊を奉る大きな寺院では、
当然に、大きな背の高いストゥーバ(卒塔婆)
五重塔、三重塔、多宝塔、五輪塔などが立てられ、
私たち庶民は、1mほどの塔婆がお墓に立てられるわけである。
西洋寺院のドームやピラミッド、
それからオベリスクなどもおそらく、同じような意味合いを持つと思われる。
いずれにしろ、塔は神秘的な建物である。