この3連休、なんの予定もつくらず寛(くつろ)ぎ休暇にしようとしていたら、
植栽業者がマイガーデンに入ってしまった。
出かけるつもりはなかったが、寛ぎはできなくなった。
猫の額ほどの広さの庭に、間引かれたように立った樹木の中に1本、
小さなオリーブが植わった。
私でも分かるその姿。
オリーブといえばポール・モーリアの「オリーブの首飾り」。
マジックショーでよく流れるお馴染の曲。
ポール・モーリアは3日、その81年の生涯を閉じた。
60年代ももう後半にさしかかった(私の中学生の)頃、
ラジオから流れてきた「恋はみずいろ」で、
彼は名声を勝ち得た、全米ヒットチャート1位に上りついた。
「恋はみずいろ」は、彼が作った曲ではない(作曲:アンドレ・ポップ)が、
ポールモーリア・グランドオーケストラの看板曲である。
この秀逸な日本語タイトルをつけたのは誰なのか、
「みずいろ」というひらがなと、その色のイメージがやわらかく合わさって、
美しい恋にあこがれた多感な頃を思い出し、胸がきゅんとなる。
個性的な音色は、主旋律を歌うチェンバロ特有の響きのせいなのか、
いつどこで聴いても、心が落ち着く響きである。
彼と彼のオーケストラは、毎年日本にやってきて、
ほとんどいつも同じ曲を演奏して帰って行ったであろう。
ベンチャーズとともに来日公演の多さを誇るアーティストだった。
中学生の私は、ヴィッキーの歌で先にこの曲を知ったのかもしれないが、
その後、大きくなった私はポール・モーリアのベストアルバムを購入している。
主なヒット曲は、「オリーヴの首飾り」
「 涙のトッカータ」「エーゲ海の真珠」
「恋はみずいろ」「蒼いノクターン」など。
多くの日本人に愛され、彼も日本と日本円を愛してくれたにちがいない。