遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

また夢の「名人戦」の季節がやってきました、モチベーションが上がります

藤井聡太名人(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する将棋の第83期名人戦七番勝負の第1局が始まりました。

振り駒の結果、と金が3枚で永瀬九段の先手番になりました。

藤井名人の同級生たちの多くは大学を卒業して就活を経てこの4月から働き始めていますが、名人は2017年10月から(当時中学2年生)棋士としてプロフェショナルの道を歩み始めています。

藤井が棋士になったばかりの2017年、ABEMAの企画で「炎の七番勝負」として藤井聡太新四段vs七人のトップ棋士・新進気鋭の棋士たちという真剣勝負が繰り広げられました。

対局相手は、現在の段位・年齢で増田康宏八段(27)、永瀬拓矢九段(32)、斎藤慎太郎八段(31)、中村太地八段(36)、深浦康市九段(53)、佐藤康光九段(55)、羽生善治九段(54)という錚々たるメンバー。

藤井は全局先手番で戦ったとはいえ、このメンバー相手に6勝1敗という信じられない結果を収めました。唯一、藤井に黒星を付けたのが、すでに前年2016年にタイトル戦の挑戦者として羽生に2勝3敗と惜敗していた永瀬拓矢でした。

7人の対局相手のうち深浦、佐藤、羽生は言わずと知れた元タイトル保持者ですが、この「炎の七番勝負」以降、若手の4人は藤井に追いかけられるようにタイトル戦に挑戦しました。

この少年がいつか早いうちにタイトルを独占するだろうという危機感は、実際に将棋盤の向い側に座って実感しただろう実力ある若手たちにとっては、まさに「追いかけられる」心境だったように思われます。しかしそれが、AIの普及とともに将棋界の底上げにもつながったと思われます。

2017年以降、永瀬はタイトル戦に13回登場し王座4期、叡王1期獲得、斎藤慎太郎は6回登場し王座1期、中村太地は2回登場し王座1期を獲得しています。また、増田は順位戦でA級にまで上り詰め、今年初めてタイトル戦(棋王戦)に登場し、ますます実力をつけている最中です。

そしていまもっともレーティングの高い棋士2人藤井名人と永瀬九段による名人戦が開幕しました。永瀬は名人戦は初めての登場で。すでに2日制の戦いは直近の王将戦で実績がありますので、この名人戦でどのような戦いぶりを見せるか楽しみであります。

第1局は早い展開になっていまして、まだ1日目の昼食休憩中ですがすでに68手まで進んでいます。将棋の手数の平均は110手前後らしいのですが、あと1日半を残して68手ですから、これから1手ずつ時間をかける展開になるのかもしれません。

私は中原誠名人の影響で20歳頃に将棋を覚え、もっぱら「観る将」派を貫いてきましたが、ライブで解説付きで対局室や戦況を見ることができる僥倖に感謝するばかりです(感謝、朝日新聞毎日新聞Youtubeチャンネル、Abemaテレビ)。

ということで、毎年訪れる夢のような名人戦は午後から指し手がゆっくりとなり、読書や散歩や庭掃除などの時間を確保できそうで、いろいろモチベーションが上がります。ありがたいことであります。

名人戦七番勝負日程
1 4月9・10日(水・木)    東京都文京区 「ホテル椿山荘東京
2 4月29・30日(火祝・水)    東京都大田区 「羽田空港第1ターミナル」
3 5月9・10日(金・土)    大阪府泉佐野市「ホテル日航関西空港」    
4 5月17・18日(土・日)    大分県宇佐市 「宇佐神宮」    
5 5月29・30日(木・金)    茨城県古河市 「ホテル山水」
6 6月10・11日(火・水)    愛知県蒲郡市 「旬景浪漫 銀波荘」
7 6月24・25日(火・水)    山形県天童市 「天童ホテル」