遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ドキュメンタリー「ターニング・ポイント 9・11と対テロ戦争(NETFLIX)」を見ました

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きょうで、あの9.11からちょうど20年を迎える。 

テロの犠牲者と、その後のアフガン戦争の犠牲者に黙祷を捧げたい。

アメリカは、テロを撲滅しアルカイダをせん滅するためにアフガニスタンに軍隊を駐留させたにもかかわらず、20年を区切りとしこのたび撤退した。
Netflixは、9月1日に「ターニング・ポイント: 9・11と対テロ戦争というオリジナルドキュメンタリーをプログラムに登場させた。さっそく全編観た。

これは、80年代まで遡るアルカイダ(広域なイスラム過激組織)の起源から、米国内および海外におけるテロをめぐる対応まで、9・11テロ攻撃を真っ向からとらえたドキュメンタリー。膨大な記録映像とホワイトハウス・米議会・CIA・FBIをはじめとする政府高官、ジャーナリスト、タリバン関係者、弁護士などのインタビューを交えた9.11とその前後の情勢を網羅的に扱ったものだった。

21世紀は、この事件から始まったのと同時に、インターネットによるもう一つの別の世界、「監視社会」が構築されたことも、このドキュメンタリーであらためて感じ取ることができる。

暴力に対抗して暴力で物事を解決しようとした結果が、いままたタリバン(アフガン固有の過激組織)に政権を掌握されたアフガンに見ることができると思う。そのことを、客観的にこのドキュメンタリーが1時間×5つのエピソードで見せてくれる。

この先アフガンがどうなっていくのかは分からないが、女性の人権はまた20年前に戻ってしまったことが残念な反面、膨大な年月が必要とされるだろうが新たな国づくりをアフガン人の試行錯誤の中で始める時が来たともいえる。戦争を知らないアフガンの子どもたちが増えてきて、ベトナムのような平和な国に生まれ変われることを祈るしかない。

できれば、やがて多くの企業が「メイド・イン・アフガン」の製品づくりを進めていって、経済的搾取ではない支援が始まってくれればいいのになと思う。日本の立場もそのあたりからのスタートではないだろうか。

「ターニング・ポイント: 9・11と対テロ戦争5つのエピソード
1 重大な脅威
映像、音声資料、インタビューを通して、9.11のテロ攻撃当日の大混乱を振り返る。未曽有の事態となったこの事件の始まりは、80年代まで遡る。
2 危険地帯
9.11テロ事件で味わった恐怖を切実に語る生存者たち。テロ攻撃の直後、当時の大統領ジョージ・W・ブッシュは米軍による報復攻撃を計画し始める。
3 暗部
ハイジャック犯に諜報機関の死角を突かれ、政府は極秘監視プログラムの導入を決定。さらに、"政府は強力な尋問技術"を取り入れる。
4 良い戦争
アフガニスタンでの戦争は成功しかけていたが、一貫した戦略がなく泥沼化。米国への幻滅が広がり、汚職がはびこるなか、ついにタリバンが復活する。
5 帝国の墓場
アメリカは、20年も続いた自国にとって最長ん戦争を終わらせようと模索。だが、撤退を引き金に、アフガニスタンが再び暴力に支配されようとしていた。

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