遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

消えた「本件の特殊性」

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「本件の特殊性」とは、

将棋の藤井聡太六段(15)が、師匠の杉本昌隆七段(49)に勝利したことではなく、

イチロー(44)が、MLBキャリアをスタートした球団シアトル・マリナーズに6年ぶりに再び入団したことでもなく、

ハリウッドのメイクアップアーティスト辻一弘(48)が、ゲーリー・オールドマンに施した特殊メイクでアカデミー賞を受賞したことでもなくて、

財務省が国会へ提出したねつ造文書に、原本から省かれていたフレーズであります。

では、森友学園との国有地取引に関する財務省の決裁文書に書かれていた「本件の特殊性」とは、どういう意味でしょうか。そんなことは中学生でも理解できることです。

豊中市の国有地を借りて(のちに買い上げて)、森友学園が開学しようとしていたのは「安倍晋三記念小學院」です。もう耳にタコができるくらい聞いた小学校の名称で、安倍昭恵がその名誉校長になるはずでした。

安倍晋三の名前を冠した小学校で、その名誉校長が安倍昭恵であると云ことが、財務省では「本件の特殊性」だったのです。また、国有地を8億円も値引きをして森友学園に譲渡することも「本件の特殊性」であり、財務省がそのことを「承認」していることも「本件の特殊性」から派生したものでありましょう。

そしてなによりも、その「特殊性」がなかったものとして、国会の国政調査権に回答していることが、もっとも許されない「本件の特殊性」です。

朝日新聞毎日新聞は、立て続けに《文書には、「本件の特殊性に鑑み」とか「特例処理について本省承認決裁完了」という記載があります。》とスクープしました。
この文書(原本)は財務省の良心がリークしたのでしょうが、新聞に抜かれてもとぼける官僚。検察の捜査も大切でしょうが、「 国権の最高機関」(国会)の要求も同じく重要ですから、大阪地検に提出したものと同じ文書を国会にも速やかに提出するべきでしょう。

代議士の要求は、主権を持つ私たちの声だということがなぜ財務省は分からないのでしょう。分っているのでしょうが、莫迦な政権が怖いのでしょうね情けない。嗚呼情けない。