遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

室井佑月と飲み友達に

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日テレのアナウンサーに内定したが、銀座でホステスをしていたことがばれて内定を取り消された女子大生が、日テレを提訴しているとか。
まあどっちもどっちだが、銀座のクラブにいたのなら経験豊富でアナウンサー業にも向いているかもしれない。
「○○先生、銀座のクラブではそんなことおっしゃってませんでしたよね~」などとインタビュー相手に言いそうな女子アナは雇わない。日テレやNHKではありそうな話。銀座でホステスをしていた作家の室井佑月NHKには出ている)に、この件のコメントを聞いてみたい。

で、室井佑月はいま週刊朝日でコラムを連載している。一般的な生活者目線からの読みやすい立派な意見に好感が持てる。変なことを変と言える、元貧困女子の生活感あふれるコラムに拍手。私は高級クラブ行ったことはないが室井佑月と飲み友達になりたいと思う。

室井佑月週刊朝日連載コラム(抜粋)】
「完全にゲーム気分だろ」 2014年12月5日号
「国民に信を問う」とかなんとかいって、解散・総選挙になるみたいだけど、ほんとうに国民に信を問いたければ、こんな年末になって選挙はないよな。
そもそも年末のバタバタ総選挙の目的は、先延ばしにすればするほど、自分たちの生活の辛さに気づく国民が増えて反発してくるかもしれないから、今のうちに早くしたい、それだけなんじゃないか。
生活が辛くなる国民が増えるとわかっているなら、その対策を立てるのが政治家の仕事だと思うけど、そっちは放っておかれる。一部の国民にとっては生きるか死ぬかの増税が、先延ばしで勝負!
って完全にゲーム気分だろ。
デタラメに使われている政治家の政治資金だって、選挙にかかる費用だって、もとを正せばうちらから搾り取った税金だ。ならもう、衆議院議員なんていらないんじゃないかというのは、乱暴な意見であろうか。
もうさ、地元のことは、その都道府県の知事の決断で良くない? 地元選出の衆議院議員の歳費も、そのまま自治体に入ったほうが。
陳情の窓口がたくさんあればあるほど、うちらのカネがかすめ取られる気がする。正しく使われず、誰かの懐を温めてるだけのような。
あたしがいっていることは、民主主義を壊すような意見かしら。けど、今はまともな民主主義かしら。国民が主となり、この国は動いているのかしら。

「非正規雇用『低収入』だけじゃない悪いこと」2014年11月28日号
国だって数人のトップの人がきりもりしているわけで、自衛官に命を差し出せと簡単にいう前に、外交で血の滲むような対話努力を行って欲しい。
ぜんぜん、話は変わるけど、寝る前に思った。人が自己紹介のとき自分の職業を相手に伝えるのは、長くつづけた職業は、その人自身であるからだ。
だとすれば、収入のことだけでなく、安定しない、パートなどの非正規雇用が増えるのは悪いこと。非情な社会に、人間のパーソナリティーを奪われてしまう。奪われた人は生きづらいに決まっている。

「まともな議員なんているの?」2014年11月21日号
「政治とカネ」の問題が続出している。
毎日、誰かの政治とカネの問題が……。
 こうなってくると疑問なんだが、まともな議員なんているの? あの人たち、カネの出所は我々国民の血税だってわかってんのか?
みなさんだって覚えているでしょ。たった0.5%の生活保護の不正受給者がいることで、生活保護受給者全体が、あれほど叩かれたことを。
生活保護費と政治資金、出所はおなじ国民の税金。しかし、金額がえらく違うよ。

「『だから女は』っていわないで」2014年11月7日号より抜粋
いったい安倍政権はなにがしたかったのか。安倍首相は「すべての女性が輝く社会づくり」を最重要課題に挙げ、9月の内閣改造で5人も女性を閣僚にした。
ここまでくると、わざとかよ、とさえ思えてくる。この人事を行った人たちの心根は、セクハラ野次の都議みたいなものであって、
「女になにが出来るっていうんだ。ま、飾りだよ、飾り」
そうやって選んだのか、
「女は馬鹿だから。ほーら、ね」
と喜びたかったのか。
こんなんじゃ、逆に女が生きづらくなるだろうが。
そういえば本日(18日)、高市総務相、山谷国家公安委員長有村治子女性活躍担当相が靖国神社を参拝し、それぞれ「総務大臣」「国務大臣」名で記帳してきて、そのくせ「私的参拝だから、他国にどうとかいわれる話ではない」などといっているとか。
彼女たちは異常。「だから女は」っていわないで。

「首相に誰かレクチャーしておくれ」2014年10月24日号
3日の衆議院予算委員会。安倍首相は、集団的自衛権の行使をどうするかの判断基準になる「新3要件」のうち「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」の「明白な危険」の範囲に関し、
「明白な危険とは、まさに明白だ」
 と答えた。このことについて、民主党の枝野幹事長が頑張って質問していたが、堂々と、
「曖昧ではない」(首相)
安倍さんはなにか質問されると、いっつも「国民には丁寧に説明をしていく」という。明白な危険とは、「まさに明白な危険」で、疑問に対しては、「国民に丁寧に説明をしていく」で終わり。
 頭をバリバリ掻きむしりたくなる。会話とはどういうものか、そっから誰かが彼にレクチャーしておくれよ、と思う。つーか、逆にはぐらかしの技術を誰かがレクチャーしていたり?
あたしはあの方がよくいう「丁寧な説明」を、そろそろきちんと聞いてみたい。この国のマスコミも野党も腑抜けで、いちばん大切なその部分を追及しきれない。

「『ザイトクカーイ』という単語が出てきてびっくりしたぞ」2014年10月17日号
8月末、国連の人種差別撤廃委員会は日本のヘイトスピーチについて、「捜査を行い、必要な場合には起訴すべきだ」。そう勧告した。
日本はヘイトスピーチの法規制については、「表現の自由」を理由に態度を曖昧にしているからね。もう、そういうのやめれ、と叱られたわけ。
山谷えり子拉致問題担当相が、日本外国特派員協会拉致問題について講演した。だが、質疑応答の時間になると、「在特会」との関係ばかり。彼女、在特会の幹部との写真が週刊誌に出ちゃったもんな。 あたしはその動画を観たんだが、外国人記者の口から「ザイトクカーイ」という単語が出てきてびっくりしたぞ。
写真についても、知らなかったの一点張り。高市総務大臣自民党政務調査会長の稲田議員も、ネオナチの思想を掲げる活動家との写真が出てきた。安倍首相まで在特会幹部とツーショット写真を撮っていた。みな「知らなかった」っていう。みな「知らなかった」っていう。でもその逃げ方は、日本という国の中枢ちゅうの中枢にいる人が、甘い管理体制の中、じつは情報弱者なのだと、海外に知らしめてることになるんじゃないのか。
この件に関しては、内田樹さんのご意見がもっとも的確であるような……。
「いや、問題は『そういう人』から『一緒に写真に写りたい人』だと思われているという点にあるわけでしょ」
 ですよね。納得。

「報道が変」2014年9月26日号
新内閣の報道だ。安倍内閣自民党役員の人事がどのように変わろうと、あたしたちの暮らしぶりが変わるわけじゃない。ぜんぜん興味ないってーの。
これがCMだとすれば、いくらくらいかかると思う? きっと何億だ。タダで広告が打てるんだから、権力持っている側は強いのね。
「中国に対する戦略」中国に対するパイプなんていうのは論外ね。いくらあの国とパイプのある人が内閣に入ったって、親玉とその周辺があの国を罵るのをやめなければ仕方ない。何度もこのコラムに書いているが、メディアはうちら国民の側に立って報道をしてくれよ。これはと思う情報は掘り下げて書いてくれないし、そのくせ、いらない情報をしつこく押し付けてくる。