英国で一番美しい村々コッツウォルズ 辻丸純一 (ショトルトラベル)
今日夜7時のNHKのニュースで飯舘村の風景が映し出されたが、
形のよい低い山が印象的な、とても美しい村だった。
こんな山村の美しい低い山に、無粋な送電用の巨大な鉄塔をいつの間にか設置して、
私の住む近くの美しい村々の景観を台無しにしてきた電力会社に、ずっと腹を立てていた。
今日ご紹介する1冊は、「英国で一番美しい村々コッツウォルズ」。
「英国で」というより「世界で一番美しい村々」といっても過言でないコッツウォルズは、
ロンドンから西へ200キロほどの田園丘陵地帯である。
ここは、私がもっとも行ってみたい地方のひとつで、
実際に行ってみる前にひと足先にこの本で訪問してみた。
予想していたより小さい本だったが、すぐ手に取れるのでそれもまたよし。
176ページにたっぷり掲載された写真は、
イギリス人の「心の故郷」と呼ばれるこの地方を、余すことなく紹介している。
バーフォード、ブロードウェイ、ボートン・オン・ザ・ウォーター、
アッパー・スローター、ロウアー・スローター、チッピング・カムデン、
バース、グロスター、カッスル・クーム、バイブリー、レイコックといった地方が紹介されている。
驚くことに、その写真に電線や電柱がまったく写り込んでいない。
ここに限らずヨーロッパでは、当然のように電力会社が景観保持に協力しているのである。
緑と花のバランスが黄金比のガーデンや、
現地で採掘されるはちみつ色の石「ライムストーン」で建てられた建物。
これらは人間の手になる人工的なものなのに、何とも自然のなかにすっぽり入り込んでいる。
ナショナルトラストの所有地として、コッツウォルズの多くの場所が守られてきたという。
飯舘村のような美しい村づくりを広めるために、
日本中の図書館に1冊ずつ置いてほしい、
たくさんの方にご覧になっていただきたいたぐいの本である。