遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ドビュッシー前奏曲集/ミシェル・ベロフ

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ドビュッシー前奏曲集第1巻第2巻 ミシェル・ベロフ(p)


朝の空気も光も和らいで、そろそろ夏も終わりとなりそうな気配。

この夏中、ベロフのドビュッシーと、

グールドのブラームスを交互に聴いてきた。


ミシェル・ベロフのドビュッシー前奏曲集第1巻と第2巻。

夏の初めに、なぜこのCDを購入したのか、

3ヵ月しか経っていないのに忘れてしまった。


おそらく、第1巻と第2巻が1枚のCDに収められており、

価格も1300円だったから購入したのだろう。

あるいは、「亜麻色の髪の乙女」以外の作品は、

どんな曲なんだろうと思って買ったのかもしれない。


とにかく、購入動機はかなり軽薄だったが、

ドビュッシーの楽曲は知的で華やいだハーモニーが、

カラフルで素晴らしいものだった。


いったい誰に捧げた作品なんだろう。

そのキラキラした詩情を、若きベロフは一点の曇りもなく快演。

ベロフ20歳のときのデビューアルバムで、

1970年の録音である。



ベロフはヨットを操っていて、右手を負傷、

長らくブランクを経験した。

近年になって、ふたたび2枚の前奏曲のアルバムを録音している。


でも、私は20歳のベロフのドビュッシーを、

一生涯聴き続けようと思っている。





前奏曲集第1巻
1. デルフの舞姫
2. 帆
3. 野を渡る風
4. 夕べの大気にただよう音と香り
5. アナカプリの丘
6. 雪の上の足跡
7. 西風の見たもの
8. 亜麻色の髪の乙女
9. さえぎられたセレナード
10.沈める寺
11.パックの踊り
12.ミンストレル

前奏曲集第2巻
13.霧
14.枯葉
15.ヴィーノの門
16.仙女たちはあでやかな踊り子
17.ヒースの荒野
18.奇人ラヴィーヌ将軍
19.月光に濡れる謁見のテラス
20.水の精
21.ピックウィック殿讃頌
22.カノープ
23.交互する3度
24.花火