遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

チャイコフスキー:交響曲第6番/カラヤン

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以前、サウンド・オブ・ミュージックのモデルとなった、

トラップファミリーの次女マリアの語りで進行するドキュメンタリーを記事にした。

「二人のマリア/トラップ・ファミリー」 http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/45276897.html


語り手である次女のマリアは、幼い頃からザルツブルグでピアノを本格的に習っていた。

その教室で、マリアより少し年長のある少年がピアノを勉強していた。

彼は、いつもきっちりお稽古をしてきて、稽古嫌いのマリアとは大違いだったとか。

その真面目少年が、幼き頃のカラヤンであった。

彼はハイティーンになっても、その姿勢を崩さなかったようで、

「あなたもヘルベルトのように真面目にピアノに取り組みなさい」と、

マリアはよくカラヤンと比較されて、先生に叱咤されていたと思い出を語っていた。


殊音楽に関しては、ストイックまでに真面目なカラヤンが、

その必要がないベルリンフィルを鍛えて作り上げた超有名シンフォニー、

チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」。


カラヤン先生は幾つになっても、自分がどのようにカメラに撮られるか、

映っているかが気になる、ナルシズムの権化のようなお人であるが、

音作りのために演奏者に要求することにかけても、

大変なお人だったことも同時に理解できる1枚である。


このCDは、1971年に6日間をかけて録音した。

ロマンティックなチャイコフスキー管弦楽の魅力を、

余すことなく伝えてくれる名盤であろう。