荒川静香のフリーの演技は、まさにパーソナル・ベストであった。
回転数を省略したコンビネーション・ジャンプもあったけど、
演技の流れが削がれることもなく、不自然ではなかった。
そんな前半を無難に乗り切ったからか、
後半ぐんぐんダイナミックな演技に昇りつめていけた。
細かいステップのひとつひとつに、力がみなぎり、
躍動感が最後まで衰えることはなかった。
こんなすごい演技、過去に見たことがない。
あの大技と大技をつなげる力強いステップは、
イナバウアーと対極にあって、目立たないけれど、
私は感心した。
上の画像の、握りこぶしをご覧あれ、練習モードからこの状態だった。
ソルト・レイクを休んだ分まで、トリノに力を注げたのか。
心も体も、2倍充実できていたのだろう。
体の回転軸が、ぶれなかったように、心の軸もぶれていなかった。
おみごとな、金メダル演技であった、おめでとう。
また、大会を通じて、佐藤有香と刈屋アナウンサーの、
選手たちへの温かい眼差しが伝わってくる解説と実況に、拍手。
選手たちの演技前後の、致せり尽くせりの励ましとねぎらいの言葉、
そして、選手たちの演技中の、過不足のない解説&実況。
こちらも、お見事なコンビネーションであった。