遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

本因坊文裕(井山裕太)が10連覇の偉業を達成しました、アッパレ!

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第76期本因坊戦第7局の終局場面

囲碁の七大タイトルの1つ、本因坊戦の七番勝負で、タイトルを持つ井山裕太三冠(32)が挑戦者の芝野虎丸王座(22)を破り、七大タイトルの連覇記録で趙治勲名誉名人(65)の持つ記録に並ぶ歴代最多の「10連覇」を達成しました。

今期の本因坊戦7番勝負は、初戦を井山(本因坊文裕)が制したものの、その後芝野が3連勝し井山は角番に立たされていました。しかし、そこから井山は底力を発揮し逆に3連勝して、見事に本因坊のタイトルを防衛し同棋戦10連覇も同時に達成しました。

3連敗からの3連勝は至難の業なので、さしもの井山も趙治勲の10連覇に並ぶのは難しいかなと思っていたのですが、土俵際で見事にうっちゃりました。

mainichi.jp

32歳という充実の時期を迎えた井山は、現在「大三冠(本因坊、名人、棋聖)」を独占していて、一世代若い「令和三羽烏=一力遼、許家元、芝野虎丸」の前に立ちはだかる壁として君臨し続けています。

囲碁や将棋はスポーツ年齢と似ているところがあり、20代半ばくらいがピークのような気がします。しかし、日ごろの鍛錬や努力と長年培った勘や経験がモノ言うところもありますので、30代でも一線に居続けられると思います。

それにしても最も歴史のある本因坊戦は76期を数えますが、10連覇を達成した2人の棋士趙治勲井山裕太の偉業は素晴らしいものであります。

私は仕事を辞めたころから、近隣で井山のタイトル戦の対局があれば時々ナマの井山と会えることを楽しみに対局会場の大盤解説会に出かけていました。その頃が井山が7冠を独り占めしたいたころです。

最近はネットライブで観戦するのがもっぱらですが、コロナが過ぎ去ればまた出かけたいと思っています。

それまで、大三冠を保持を継続してもらいたいものです。

10連覇おめでとう!アッパレ!

 

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人にやさしいおしゃれなデザイン国家日本!になってほしい

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関西ではきょうからまた雨が続きます。

大雨に関する特別警報で「これまでに経験したことのないような大雨になる」というフレーズ。2012年にはじめて使われたそうですが、今や毎年この言葉を聞くような気がします。となると、この「経験したことのない」というあいまいな言い回しは変えた方がいいような気もします。

さて、冒頭の画像は「ローリング・ベンチ」という優れモノです。座面が雨などで濡れたら、再度のハンドルをくるくる回すと、乾いた座面に取って代わり腰を下ろせるようになるというものです。

どこかの国で普及しているのかどうかはわかりませんが、市民にやさしいアイデアだと思います。

前に記事にもしましたが、日本のベンチ、とりわけ都市部のそれは、一時的に軽く腰を掛けられる程度のものに変わりつつあり、それはひとえにホームレスや酔っ払いがベンチで寝転ぶことを妨げるためのデザインになっています。

「デザイン」は人のために役立つものを表す言葉のはずですから、寝転べないベンチはデザインとは言えない代物です。

下の画像のゴミ籠は、ボトルホルダーのようなものが取り付けてあります。これはノルウェーの街角にあるもので、ボトルホルダーはゴミ分別のためではなく、ビンやアルミ缶を集めて売って暮らしている人がゴミ箱をあさる手間を省いたやさしいデザインになっているそうです。

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このゴミ籠を見てノルウェーのような高度福祉国家で、ホームレスのような人がいることに少し違和感を持ちましたが、全く何ものにも拘束されずに暮らしたい人もいるわけで、そういう人たちを包摂してこその多様性社会ですから、その表れの一つとしてのボトルホルダーの付いたゴミ籠なんだろうと自分で結論付けました。

ということで、日本も人にやさしいおしゃれなデザイン国家になってほしいと願っています。自民党政権下では、ダサいオヤジのしなびた国になる一方で、なんとも悲しいことであります。

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寝転べないベンチ

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車や人を排除した「かえって危ない高架下」

 

防災のためのハードインフラの整備点検をただちに実施せよ

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熱海で起きた土石流、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたい。まだ安否確認ができない方もおられるようで、心を痛めている。

あの土石流は「盛り土が原因かもしれない」というニュースを聞き、嗚呼また人災かという思いがよぎった。

その後のニュースは、土石流の起点には大量の盛り土があったと伝えている。



このニュースを見ると、地元の人たちは「いつか事故が起こる」と思っていたようだ。神奈川ナンバーのダンプカーが泥のような黒土を山頂に運んでいたそうで、熱海市もそのことを知らなかったわけではないようだ。山頂は残土の捨て場だったのだろうか。

この現場付近の開発業者をTBSのスタッフが訪問したら、その事務所は以前から使われている様子がなく抜け殻のようになっていて、これまでにいろんな事件や不祥事で見てきたドラマのような光景だった。

冒頭の画像の右側、山の頂上付近には大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)がある。災害との因果関係はまだ不明だが、人に命を軽んじた自然破壊をして金儲けをしようとする不届きものは断固糾弾されるべきだろう。

千葉県で通学途中の子どもたちの痛ましい事故が起きた件で、菅首相から全国の通学路の安全について点検せよとのお達しが出たが、次は全国の盛り土を点検せよだ。言うだけなら簡単なのですぐに点検するべきだ。自治体は危ないところを実は知っていて、知らないのは住民だけなのだから。

住民はハザードマップも知らないし、自分の住む地域の危険度もよく知らないけど、少なくとも「住民が避難場所にはすぐ行ける」ような気風をつくるべきだろう。ためらったり恥ずかしがったりする前に、速やかに行動できるような気風はどうしたら作れるのか自治体はよく考えてほしい。避難場所は、せめてパーティションを設置するなどの快適さも考慮に入れるべきだ。

それと並行して、防災のためのハードインフラの整備点検を実施して「安心安全な暮らし」ができるよう充実してほしい。辺野古やリニアや中抜き企業やカジノに税金を注ぎ込んでる場合ではないのだ。