遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

サキソフォン・コロッサス/ソニー・ロリンズ

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曲目
1. セント・トーマス
2. ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
3. ストロード・ロード
4. モリタート
5. ブルー・セヴン

1956年6月録音

パーソネル
ソニー・ロリンズ (ts)
トミー・フラナガン (p)
ダグ・ワトキンス (b)
マックス・ローチ (ds)


1曲目の「セント・トーマス」の冒頭だけ聞くと、このCDはカリプソアルバムかいなと、
勘違いしてしまいそうなのんきさ。
しばらく聴いていると、ロリンズの素朴な即興演奏になって、
ああこれはまごうことなきジャズアルバムだと納得。

2曲目の「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」が始まると、
サム・テイラーのテナー・サックスによるムード音楽アルバムかいなと、
勘違いしてしまいそうなセクシーさ。
しばらく聴いていると、ロリンズのサックスは情緒たっぷりのスローバラードな、
うっとりジャズ演奏になってくる。

3曲目の「ストロード・ロード」からは、
どこをどう切ってもヴィヴィッドなジャズアルバムに落ち着く。
ソニー・ロリンズのテナーが小休止する間に、
トミー・フラナガン、ダグ・ワトキンス、マックス・ローチ
ピアノ・トリオが独立路線で楽しませてくれる。

マックス・ローチは、少しデリカシーに欠けるドラミングだと私は思うのだが、
その分、フラナガンの繊細で上質な絹のような演奏が、引き立つというもの。

日本人の好きなジャズアルバムは、
スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100によると、
(SJ誌2001年1月号で実施された読者アンケート企画で選出されたもの)

1 ワルツ・フォー・デビイ  ビル・エバンス
2 カインド・オブ・ブルー  マイルス・デイビス
3 サキソフォン・コロッサス ソニー・ロリンズ

の順になる。この調査の12年後のいまも、あまり変わることのない人気だと思える。

いまも健在のロリンズ(82)の「サキコロ」を聴かずして何を聴けというのだろう。