遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

おでこでお小遣い稼ぎ

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サウナの優待券が社内に持ち込まれたのか、

私にもチケットが回ってきた。


若い頃、サウナの浴槽でまったり和んでいたら、

いつの間に近づいたのか、目と鼻の先に見知らぬおじさんが浸かっている。

私はそのおじさんが何者なのか、若いにもかかわらずすぐ察知できた。

当時なぜかおかまのおじさんによく近寄られたり触られていた私は、

至近距離でこちらを見ているでもなく、

しかし神経を私に集中していると思しき見知らぬおじさんは、

私を狙っているおかまだとすぐ察知できた。

同じく近くで、無言で和んでいた同伴していた友と大きな声で話を始めると、

そのおじさん、そーっと私のそばから離れていった。

サウナにはそういう輩が信号を発して、お仲間を探しているようである。


職場でもらったそのサウナのチケットには、

「イレズミの方、泥酔者の入場はお断りします。」とあるが、

「おかまの方」も付け加えてもらいたい、別に被害を受けたわけではないがそう思った。


ところで、本題は、そのイレズミというかタトゥーのお話。

外国人は実に簡単にタトゥーをいれることに驚くのだが、

ことにスポーツ選手などは、アクセサリーのように彫り物をする。

いつぞやは、ベッカムの背中の大きな彫り物を見て、えーっと驚いたものだ。



直木賞作家の村山由佳、作品は読んだことないのだが、

千葉の鴨川で、乗馬を楽しみながら暮らしている自然児だったのに、

右胸に大きなタトゥーをいれたと聞いて少々驚いた。


離婚して鴨川を離れ「ダブル・ファンタジー」という作品で、

妖艶な都会のお嬢さんに大変身したからなのか、

とにかく、ああいういい感じのお嬢さんが胸に大きなタトゥーをいれることに、

私のようなおじさんは、なぜなんだろうというショックを受けてしまう。


それはともかく、日本のカラフルな彫り物の技術は、世界に類を見ないほど芸術的である。

なので、外国人諸君、彫り物をいれるなら、観光ついでに日本へやってきて、

技術のしっかりした日本のプロに頼んでいただきたいと、切に願うのである。

単色で彫るセンスの悪いタトゥーは見苦しいので、おやめいただきたいと思うのである。


さて、村山女史の胸のタトゥーは、胸が開いたドレス等を着るとそれと分る。

普段は見えない部分に隠して彫りこんでも、

それはそれで、せっかくのものを隠してしまうということで、

タトゥーの意味を薄れさせることなのかもしれない。

なので、どうせ見えるのならと、額などにタトゥーの広告をいれるという、

まさに身体を張ったビジネスがあるらしい。


首や額、上腕、前腕、手、おなか、腰の後ろのうちから1カ所を、

企業に貸し出して、タトゥーを入れるという契約らしい。

ただしあとで消せるタトゥーなんだそうで、当然だろうけどなんだかほっとしている。


画像のお嬢さんは、面接で選ばれた、

つまり広告塔に相応しいかどうかの審査をパスしたウエイトレスなんだそうだ。

ルックスが良いこと、さらに社交的な性格で、

活動範囲と時間がマッチしている必要があるようで、

美人ウエイトレスというのは、まずまずの条件なのだろう。

ちなみにこのお嬢さん、企業から受け取った報酬は200ドルだという。


おなかや腰に入れるのは、体型に自身がなければ見苦しいだろうし、

たとえば「三菱」にしたはずが「三つ葉のクローバー」になってもまずいし、

寒い時期はお腹や腰、地域によれば腕さえも寒くて人前にさらせないし、

おでこが年間を通じて万人向きの広告塔になりそうだ。


消せるタトゥーなら、かっこよくおでこにいれて、

お小遣い稼ぎもいいかもしれない。