遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

15年目の冬/阪神大震災

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この鉄人28号がいる神戸市長田区あたりは、

ちょうど15年前の今日1月17日は、

一面火の海だった。

あの、長田の至るところで黒い煙が立ちのぼる光景は、

生涯忘れることがないだろう。


阪神大震災当時、我が家は震源地に近くはなかったので、

家屋の被害はほとんどなかったが、

体験した地震の揺れの激しさや、伝わってくる阪神間の被害状況などで、

かなりのショック状態に陥った。

当時41歳の私ですらそのような状態だったので、

震源地で家族や家を失った方々の精神状態は、

想像を絶するものがある。


人の暖かさやライフ・ラインの大切さに、

認識を新たにしたのも、あの震災以降である。


イチローのユニフォームの袖口の、

がんばろう神戸」のロゴを見るたび胸が熱くなった。


何も被害がなかった私だが、あの日以来、

それまでと少し違った精神状態で暮らし始めていた。

そして、瞬く間の15年間に言葉もない、

まるで、ビューンと飛んできたようなあっという間の15年であった。


鉄人28号(作者:横山光輝)のふるさとが神戸だというのは、

このモニュメントができてはじめて知った、

法隆寺百済観音や興福寺の阿修羅に会いに行くように、

鉄人28号にも会いに行きたくなっている、

そんな15年目の冬である。