遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「維新の会は未熟だ、万博リングは犯罪だ」とプロの建築家がおっしゃっています

今年、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家の山本理顕氏(79)が、大阪・関西万博について危機感をあらわにしました。

日刊ゲンダイによりますと、都内で開かれたシンポジウムで、万博推進の中心にいる「維新の会」は「未熟」とバッサリ、返す刀で、350億円を投じて整備中の大屋根(リング)については「犯罪だと思う」と維新による大阪万博の息の根を止めるような発言をしました。

不透明な巨額費用の支出と、説明を果たさない万博会場のデザインプロデューサーを務める藤本壮介(53)の無責任さを非難して「“犯罪”だと僕は思います」と語気強く以下のように語りました。

「なぜ、こういう見積もりになるのか、設計者は根拠を全部示さなくてはなりません」と主張し、自身が過去に手掛けた事例を引き合いに出しながら、次のように喝破した。
「はこだて未来大学(の事業費)は150億円に届かずにできましたし、名古屋造形大学は150億円でした。(350億円あれば)2つもできちゃう。何の目的もないリングに350億円近いお金をかけること自体が異常です」

また「大阪府は完全に(維新の)独裁政権」だと、ことの本質を的確に言い表しました。

1周2kmのリングは、5mあたり1億円もの建設費用ですが、メタンガスの発生が予想されるため避雷針の設置ができないため、落雷の恐れがあるそうです。落雷の恐れがあるということは、リングは急な雷雨の際の雨宿りもできない無用の長物と化するそうです。

今週の関西地方は各地で雷雲が発生し、落雷による交通障害も起きていますが、いまから来年の今ごろが思いやられます。

我々素人でさえ、スカイツリーの建設費の400億円に比べて、わずか半年で廃棄される使い捨ての万博リングの350億円の建築費は高いと思いますし、しかもその費用内容が詳らかでないというのは「犯罪」と言われても仕方のないことかもしれません。

おねだり・パワハラ不祥事の斎藤兵庫県知事が、記者会見で多くのメディアから「隠すな」「逃げるな」などと袋叩きに合っていますが、吉村大阪府知事もぜひ同じテンションで迫っていただきたいと思います。

万博の経済効果は、いつのまにか当初の6兆円から3兆円に変更されていますが、その3兆円の効果さえ危うくて、大阪の負の遺産が3兆円となるような気がします。

いま大阪府下の府道はガタガタで、横断歩道は剥げてしまって見えなくなるまで放置されています。5m1億円のリングを造るなら各地の横断歩道の整備をお願いしたいところです。それとも、万博が終わればその経済効果で、大阪はピッカピカの道路網になるのでしょうか。

ということで、メディアの皆さんには、維新が逃げ出してどこかに消えてしまう前に、彼らの「犯罪」を明らかにしてほしいと思うのであります。