遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

祇園でディナー/京都散歩

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NHKの「ぶらタモリ」で知ったのですが、寛文の頃(1670年)に賀茂川に石堤が完成し、それまで洪水被害のおそれのために未開地だった四条通り北側の一帯の祇園に700軒ほどの花街(かがい)が作られたそうです。

花街は、舞妓さん芸妓さんと遊ぶお座敷を提供する「お茶屋」と、舞妓や芸妓を抱えてお茶屋へ彼女たちを派遣する「置屋」、お座敷での食事を提供する「仕出し屋」の三業で成り立っていて、分業制が確立されたようです。

この分業は実に効率よく機能していて、お客へのきめ細かい心配りが可能になったようです。洗練された効率化は、歓迎されるべきものだと思います。

ということで、先日花見の帰りにその祇園の割烹料理屋で夕食をとりました。江戸から続く「仕出し屋」の流れを汲むのが、今数ある割烹料理店なのでしょう。当日私が入ったのは、ミシュランの1つ星を持つカウンターが9席ほどのはじめての店でしたが、幸運にも1週間前の予約で席が確保できました。

旬の筍や鯛の造りやいろいろ出てきましたが、メニューはほとんど覚えていません。最後に大将が土鍋で鯛めしを炊き始めたのですが、それが出来上がって目の前にしたころには私のお腹ははちきれそうになっていました。しかし、不思議とすんなり食べることができました。絶品でしたので別腹になったようでした。さらに粒あん入りジェラートも、別腹で満足できました。

ゆったりとした3時間の食事でしたが、自宅に着いたころには、あの鯛めしをもう一杯食べたくなるような腹のこなれ具合でした。