遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

二つのいのち/臓器提供と踏切事故

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埼玉の男の子が脳死となり、ご家族が臓器提供を申し出されたというニュースに接する。

「息子から生きる意味を学び、そして『生きたい』と思う意志を強く感じ、家族で話し合った結果、臓器提供を決断しました。思いやりのある優しい子で、勉強も運動も1番を目指す自慢の息子です。たくさんの方々に愛され、まぶしいほどきらきらしていた息子が、どこかで誰かの未来のために役立ち、ともに生きていけることを、私たちは誇りに思います」
悲しくてありがたいご家族の決断とコメントに頭が下がり胸が熱くなる。合掌。

男の子から提供された臓器は、以下のとおり移植が予定されている。

○心臓が、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)で10代の男の子に
○肺が、福岡大学病院(福岡市)と東京大学医学部附属病院(東京都)でそれぞれ50代の女性に
○肝臓が、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)で10歳未満の女の子に
○すい臓と片方の腎臓が、藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)で30代女性に
○もう片方の腎臓が、防衛医科大学校病院(埼玉県所沢市)で60代男性に

全国各地で移植を受けられた方々の健康が、戻ってくることを祈るばかりである。


また、少し前には、川崎市の踏切で自殺しようとした男性を助けようとして亡くなられた52歳の銀行員の事故に心を痛めた。

遺族の悲しみを思うと言葉もないが、しかし、自らの命を懸けて人を救助しようとした男性の正義感と勇気に感動も覚えた。

このような物語の主人公のような立派な方と、間接的にではあるが接することができてこれまた胸が熱くなる。合掌。


世の中の大部分は、悩み悲しみ喜びを享受しつつ、すこしでも成長しようとつつましく清く一生懸命生きている人たちで占められている。そういう人々の努力が報われ、幸せが訪れることを祈るばかりである。

きな臭い胡散臭い政権のもと、ひとつの命の重さを万人が考え直すときなのだろう。