このたび逝去された三笠宮は、歴史修正主義を批判し、日本軍の南京での行為を「虐殺以外の何物でもない」と仰った戦争の生き証人だった。宮さまは、太平洋戦争に従軍され、日本軍の狼藉をつぶさに見てこられ、戦後そのことを痛烈に批判されていた。謹んでご冥福を祈る。
安倍晋三は「慎んで心から哀悼の意を表します」と内閣総理大臣謹話を出しているが、弔意を表す「つつしんで」は「謹んで」である。そもそも「謹話」なのだから「謹んで」だろうに、安倍の取り巻きのレベルが知れる。メディアは「〔ママ〕文」にしないで、自主的に「謹んで」に変えて謹話を伝えているという。あとで叱られたりして。
ところで、三笠宮は100歳で逝去されたが、もし天皇だったらと思うと、このたびの生前退位問題はもっと早く的確に陛下のお気持ちに寄り添えと言いたくなる。生前退位の有識者会議は、ヒアリングを行う対象者に、櫻井よしこ、百地章、八木秀次、渡部昇一などの「日本会議」関連人物を8人も選定したという。有識者会議でさえ一回限りの「特別法」を選定する有識者の集まりなのに、ヒヤリングの対象者の意見で、「特別法」をコンクリートにしてしまおうという茶番会議である。
それにしても、三笠宮の皇位継承順位が5番目で、残る継承者は4人となった。4番目の常陸宮は80歳だから、実質的な継承者は3人というお寂しい状態である。聡明な女性が多くおられる皇室だと思うが、女帝・女性の宮家創設など、皇室の「女性活躍」も皇室典範に盛り込むべき時期に来たのではなかろうか。少子高齢化に加えて、男系の衰退問題がいよいよ問題になってきた皇室である。
政府御用ではなく、皇室御用達有識者会議の開催が待たれる今日この頃である。