そのような暴挙が行われようが、われわれは島田雅彦の言うように粛々と異議を唱え続けよう。
次の国政選挙はまだもう少し先だから、それまでは「政治の季節」をめぐらすことなく粘り強く異議を唱えよう。野党はその間に何とかこの国の方向性を考えた体制作りに、全力を挙げて集中してほしい。
島田さんの静かな語り口に、日本の良心が蜂起することを願ってやまない。
「安倍首相は最初、改憲のハードルを下げるために96条に手を付けようとした。だが、現行憲法の規定に従わなければならないので、今度は解釈変更で乗り切ろうとした。それが今回の『戦争法案』です。つまり安倍政権のやりたいことをことごとく邪魔するのが現行憲法、という構図です。しかし1票の格差が是正されない状態で成立した政権も違憲だが、この法案も違憲。政権の意向に憲法を従わせようなんて本末転倒です」
「今一度、現行憲法を読んでみると、時代遅れどころか、日本が目指すべき今後の安全保障のあり方を示唆してもいます。」
「非常に当事者意識の高い運動が育ちつつある。この少子高齢化時代において、若者には社会に大事にされていないという不満が根強いはず。そこに今回の安保法案で徴兵制復活までが語られ始めた。『俺たちは戦争にまで駆り出されるのかよ?』と我が身に降りかかる危機を感じているのではないでしょうか。」
(では今、できることは何なのか。島田さんの言葉は強く、真っすぐだった。)
「一人一人が反対の意を唱え続けること。政治を動かすのは国会だけではないですから」。「(デモで、ソーシャル・ネットワーキング・サービスで、メディアでの発言で−−。異議を唱え続ければ、政権の支持率低下につながります」
「集団的自衛権の行使は、国の『自殺行為』です。それを私たち国民が放置するなら、私たちだって『自殺ほう助』の罪を問われると同じことではないですか」