遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

万能鑑定士Qの推理劇(1)/松岡圭祐

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万能鑑定士Qの推理劇(1)  松岡圭祐  (角川文庫)


朝日新聞の日曜日の書評「売れてる本」コーナーで、批評家佐々木敦が取り上げたのが、
角川文庫「万能鑑定士Qの推理劇」。

主人公は、高校卒業後すぐに沖縄から東京に出てきた女の子、凜田莉子(りんだりこ)。
高校生の莉子は、学業は最低でいわゆる「天然」というべき感受性の持ち主。
リサイクルショップの経営者に、その感受性に可能性を見いだされ採用され、
5年の歳月をかけて知性を磨きあげることに成功した。

莉子は「万能鑑定士Q」という店を構えるまでに成長し、次ぎ次ぎと難事件を解決する。

莉子も出場した、宝石鑑定大会を舞台にした巨悪の陰謀との闘いが始まり、
インターカラーをめぐる不思議な事件にかかわることになる。
この、「流行色」を決める、インターカラーという存在を初めて知ったが、
そういう情報がなかなか面白楽しい。

また、「『自炊』代行業者」という言葉が出てきたが、それに関するブログ記事を書いたことがあるので、それはさらっと理解できる私。
http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/65090322.html  


とにかく、うんちく話やさまざまな情報が満載された、人が死なない、性的描写もまったくない、
中高生向きの楽しいミステリーに仕立て上げられている。

このイラスト表紙の感じだけで判断すると、私は絶対買わないタイプの書物なのだが、
年度末の疲れた日々には、気分転換に役立つ一服の清涼剤のような軽快な物語だった。

同シリーズ「推理劇2」もすでに購入済みである。