遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ベートーベン第九/京都市交響楽団

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京都に職場のあった頃は、よく聴きにいっていた京都市交響楽団

かつての本拠地は、京都会館という多目的ホールで、

平安神宮近くの岡崎に位置していたホールであった。

その後、磯崎新の設計により95年に京都市北部に完成した、

京都コンサートホールに本拠を移し、現在に至っている。


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今日は、その京都コンサートホールにはじめて行っってきた。

高校のコーラスで第九のソプラノパートの経験がある本日の同伴者の次女、

きちんとベートーベンの第九を聴いてみたいと言うので、

それではと、私の重い腰をあげてみた。

彼女のバイトのスケジュールの都合で、

大阪の第九コンサートには行けなくなり、

京響の第九コンサートに足を運んだ。


井上道義の指揮による昨夜に続く2日間連続のコンサートで、

本日はマチネコンサートのせいか、私以上にお年を召した方が多かった。

1800あまりの座席はほぼ埋まっており、

ざっと見回して、女性7割、お年寄り4割といった感じで、

19歳の次女と、56歳の私は、何となく少数派に属する観客であった。


遅くにネットで取った席なので、ホールのほぼ最後列に近いところで、

奥行きのあるタテに細長い感じのホールなので、

オーケストラの音は、少し遠くで響くような印象を受けた。

それでも、アメリカ人の父親譲りの長い四肢を持ち、

斉藤秀雄の薫陶を受けた万年青年然たる井上の指揮は、

遠目からでもダイナミックで格好よく、

京響サウンドもそれに呼応した見事な演奏だった。


もっとも、ベートーベンの芸術が何といってもすごいのだけど、

そんな話や「お父さん恥ずかしいから電車の中ではやめて」と、

ここにとても書けないようなバカ話を次女としながら、

大阪に帰ってきた。