遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

名誉回復のために/フォルクスワーゲン

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■独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス試験の不正問題 米環境保護局(EPA)が18日、VWのディーゼル車で排ガス試験の時だけ排ガス量を減らす違法なソフトウエアが使われていたと発表し、発覚した。対象は2009年~15年に発売されたVWの「ジェッタ」「ゴルフ」「ビートル」、傘下の独アウディ「A3」と、14~15年に発売のVW「パサート」のディーゼル車の5車種。
 EPAによると、不正対象車が実際に走行した時の窒素酸化物(NOx)の量は基準値の10~40倍という。EPAは、VWに対象車となる48万2千台のリコール(無料の回収・修理)を命じた。米メディアは、制裁金が最大180億ドル(約2兆1600億円)にのぼる可能性があると報じている。(日本経済新聞 2015/9/22)


このVWの対象車はほとんど日本には輸入されていないようだが、ヨーロッパでは売れる新車の半分は、ディーゼル車だという。ガソリンエンジンよりクリーンで燃費もいいし燃料費も安くつくので、かの地の人たちは率先してディーゼルエンジン搭載車を買う。VWがゴルフのディーゼル車を発売したのは、1977年だという。

車を売る企業は、安全で静かで排気ガスが環境にやさしい車を売って、その社会的使命を果たせる。不幸にも事故を誘発する車の不備があり、リコールが起きる場合もある。しかし、今回の場合は、偶発的なリコールではないことが大問題である。ユーザーのみならず世間を騙すソフトを意図的に秘密裏に車に仕掛けていたのだから。しかも、環境汚染につながる一大不祥事である。

戦後(戦前・戦中はナチスに蹂躙された)営々と積み上げてきたVWの信用は短期間に一部の人間(セクション)のために、一気に失墜した。どこかの国の平和主義に似ている。

この不祥事を挽回するには、とてつもない時間と費用がかかるであろう。VWにとっては最大の危機が訪れたと思う。だれが何の目的でそれを行ったのか、しっかり説明しお詫びをし、制裁金を支払い、これから地球環境のために何をしていくのかを具体的に明確にすべきだと思う。環境汚染や地球温暖化のためにVWが、先頭をきって貢献していってほしい。それが名誉回復に最も適した姿勢だと思うし、VWならできると思う。VWを信頼してきた一ユーザーとしてそう思う。

さしあたり、その米国への制裁金と言われる2兆円を、単なる制裁ではなく環境汚染のために何か具体的に使ってほしいと思う。