遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

長い間大きな声を張り上げないと

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少し前の話ですが、7月の参議院選挙直前に、高知新聞が地元で街角アンケートを実施しました。

Q「今回の参院選は『3分の2』という数字が注目されています。さて何のことでしょうか?
A 全く知らない83人、知っている17人

Q 「自民党憲法改正草案を読んだことがありますか?」
A ある10人、ない90人

Q「憲法改正に賛成ですか、反対ですか?」
A 賛成35人、反対51人、どちらでもない、答えられない14人

憲法改正に反対が賛成より16ポイント高いのに、国会での憲法改正発議が可能になる賛成議席数「3分の2」は知らないのは、どうしてなのでしょう。

また他の「3分の2」の調査では、神奈川新聞も地元の街角などで100人に聞きましたが、知らないと答えたのは67人でした。
毎日新聞は、選挙後に全国の街角で150人に「3分の2」の意味を聞いたところ、知らないと答えたのは6割近い83人だったということでした。

これは、大半の市民が愚かだとか、憲法をきちんと教えない教育が悪いといった問題ではなく、憲法をこっそり改正しようとする愚か者たちと、その愚か者たちを民衆の前に引っ張り出し弾劾しないメディアや野党や知識人たちの責任でもあるのではないでしょうか。

貧しくて忙しくしている人たちが気付かないうちに、いろんな何かを「こっそり」やってしまう愚か者たちのことを、誰かが声を張り上げて気づかせなければならないのではないでしょうか。憲法改正だけじゃなくて、あらゆる問題について、これは相当長い間大きな声を張り上げ続けないと気付いてもらえない難しいことだと思います。

そもそも、美しい国日本に貧しくて忙しい人が多すぎるのではないでしょうか。多くの人が見ている朝ドラ「とと姉ちゃん」。とと姉ちゃんたちが雑誌「あなたの暮し」を通して目指している日本人の暮らし方は、視聴者に伝わっているのだろうかと思わずにはいられません。

野党は身内の覇権争いの方が忙しくて、労働組合は親方(自分たちの会社)の生き残りの方が問題で、シールズは解散しましたし、メディアや知識人たちは「炎上」が恐くて、「日本丸」は遭難してしまいそうです。