「長いお別れ」 ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1)
レイモンド・チャンドラー (著), 清水 俊二(訳)
泣く子も黙る名探偵は、シャーロック・ホームズだが、レイモンド・チャンドラーが生んだ探偵、フィリップ・マーローは、人気度ナンバーワン。(かもしれない。)
私は、シャーロキアンであり、チャンドリアンではあるが、マーロー・シリーズは以下の´きキΔ靴読んでいない。
マーロー・シリーズのAmazon.co.jp 売上ランキング:(全ての本の売り上げ順位)
崢垢い別れ」 3,531位(ハヤカワ・ミステリ文庫の第3位。)
◆屮廛譽ぅ丱奪」 66,725位
「高い窓」 67,588位
ぁ屬気蕕舒Δ靴女よ」 73,894位
ァ崑腓い覆詭欧蝓 92,763位
Α屬わいい女」 139,380位
А峺价罎僚? 154,277位
それにしても,蓮△垢瓦で笋貶?B召里發いい里鵬晋痢
A.ハヤカワの「夏休みキャンペーン」で、書店の平積みを見て、Amazonで購入。
B.タイトルを見て「恋愛小説」と勘違いされた。
C.誰かが,鮃イだと言ったから、その影響でバカ売れしている。
誰かは、もちろん村上春樹ではなく、キムタクとか妻夫木とか。
まさか、片山恭一、野島伸司?
D.押しも押されぬハードボイルドの大傑作として自然な売れ行き。
私の推理もたいしたことない。
しかし、1976年に出版された本が今も売れているとは、さすがといえばさすがである。
ミステリの、オールタイムベスト企画の、ベスト5の常連に入るだけのことはある。
「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」という、名セリフを、チャンドラーはどの作品で、フィリップ・マーローに言わせたのだろうかと、調べていたら以下のページに遭遇した。
以下<>内は、
http://www.dgcr.com/cgi-bin/backnumber/back.cgi?mode=right&year=2002&month=3&day=8より
<マーロウ最後の長篇になった「プレイバック」には有名なフレーズがある。まさに「折にふれて彼の呟く片言隻語のタイミングとセンスの面白さ」の代表のようなマーロウの台詞である。
──しっかりしていなかったら、生きていられない。
やさしくなれなかったら、生きている資格がない。
角川映画「野生の証明」(1978)のテレビスポットでは健サンの顔にタブって「タフでなければ生きられない」というコピーが流れた。
「タフでなければ生きていけない」と訳したのは、生島治郎だったと記憶している。>
清水俊二は、「プレイバック」で、上の青字のように訳していたようだ。
私は読んでないけれど。
チャンドラーは、ハリウッドの脚本家のごとき、
粋な素晴らしい会話を、作り出す。
因みに、今映画を見に行けば、字幕:戸田 奈津子が主流であるが、1980年代以前は、字幕:清水俊二であった。
「NC-17」(No Children Under 17 Admitted:17歳以下お断り)のような映画も、字幕は清水俊二、随分お世話になった。
<●ロマンチストは挫折してセンチメンタリストとなる
センチメンタリストたちは「金や女が欲しくて生きているのではない」というポーズを見せずにいられないのだ。それこそが、浅ましく過酷な現実に負けまいとするセンチメンタルなこだわりなのである。>
私は、「挫折」は、お気楽なおバカだから感じていないが、「センチメンタル」なおバカであるとは思う。
「きれいなお姉さんを、自分の船に呼んで、美味しいお酒を飲んでいるお金持ち」なんかにまったく憧れないほどの、しょぼいセンチメンタルなこだわりしか持ち合わせていないが…。
これは、宮本武蔵の影響かと思っていたが、それより前に、マーローに薫陶を受けていたと思い出した。(その他、いろいろ、影響は受けてはいるが…。)
と、いま感じている。
これを読めば、タフになる、優しくなれる、ぜひ読まれたい。
売れているし、もう読んでるか。