遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

天の守護神/サンタナ

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「天の守護神」
 サンタナの2ndアルバム。'70年4月18日にロイヤル・アルバート・ホールにて収録されたライヴ音源3曲も、未発表ボーナス・トラックとして収録されている。

 曲目リスト
   1.風は歌い,野獣は叫ぶ
   2.ブラック・マジック・ウーマン~ジプシー・クイーン
   3.僕のリズムを聞いとくれ
   4.ネシャブールのできごと
   5.全ては終りぬ
   6.マザーズ・ドーター
   7.君に捧げるサンバ
   8.ホープ・ユー・アー・フィーリング・ベター
   9.エル・ニコヤ
   10.全ては終りぬ
   11.祭典
   12.ブラック・マジック・ウーマン~ジプシー・クイーン(未発表ライヴ)


 世にも美しい日本語を喋るイギリス人、ピーター・バラカン。私は、彼の好きな音楽傾向とは必ずしも一致しないのだけれど、サンタナのこの1枚は意見が合う。

 彼の著書「ぼくが愛するロック名盤240」(講談社プラスアルファ文庫)は、後に章を改めたいが、その中でもこの「天の守護神」を絶賛している。この本の、表紙を飾る1枚にもなっている。

 サンタナのバンドの、エレキベース・パーカッション・ドラムで編成されるリズムセクションは素晴らしい。

 日本太鼓、ガムランの銅鑼、キューバのスチールドラム、アフリカのトーキングドラム、オーケストラのティンパニ等々、およそパーカッションに分類される楽器の持つ特性は、心を開放してくれるところであるように思う。
 理性をつなぎとめているロープを断ち切る、斧のようなものなのかもしれない。

 リズムセクションは、深く人を感動させることができる、素晴らしい職業である。

 「ネシャブールのできごと」で、繰り返されるテーマは、バンド全体がリズムセクションと化し、一転、ソロ楽器を前面にたてるところでは、黒子に徹するリズムセクションが実にイイ。

 サンタナのギターも、よく歌っており、バラード「君に捧げるサンバ」でその真骨頂が聴ける。

 レンタルショップでこれを見つけたら、ぜひ借りて聴いていただきたい。