遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

オーヴァー・シーズ/トミー・フラナガン

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Overseas [FROM US] [IMPORT] 
1957年8月15日 ストックホルムにて録音
 トミー・フラナガン(p)
 ウィルバー・リトル(b)
 エルヴィン・ジョーンズ(ds)


私がレコード店でアルバイトをしていた頃、
 
ライオネル・ハンプトンの「スター・ダスト」と並んで
 
コンスタントに売れていたレコードがこれ。

トミー・フラナガンの「オーヴァー・シーズ」。

 

その当時で、録音からすでに20年近く経っていたが、ジャズの売れ筋であった。

売れたらすぐに仕入れて、店頭に置いておかなければならない名盤であった。

 

我が国で売られていたレコードのジャケットのは、
 
ピアノを弾くトミーのバストアップ・ポートレイトであった。
 
私は、グリーンの地に「C」がいっぱい並んだ(オーヴァーCズというおあそびだ)
 
オリジナルジャケット盤が欲しかったが、当時それは幻のジャケットであった。
 
 

このオリジナルジャケットのCDも輸入盤で、私はネットで購入した。



トミー・フラナガンは、名バイプレーヤーで、

ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」、

ジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」
 (http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/5463281.html )、

カーティス・フラーの「ブルースエット」、

JJ・ジョンソンの「ダイアルJ.J.5」等々、名盤にその名を連ねている。



この名盤は、名バイプレーヤーのトミーが主役の、数少ない1枚である。
 
主役も立派に難なくこなせるところを、見事に証明している1枚である。
 
私と誕生日が同じ名ドラマー、エルヴィン・ジョーンズも、彼の才能を遺憾なく発揮して、

トミーとヴィヴィッドな演奏を繰り広げている。


録音当時、このトリオは、JJ・ジョンソン(トロンボーン)のリズムセクションであった。

ボスの呪縛から解き放されて、しかし、品性を失うことなく、麗しき自分たちの音を創り上げている。


ピアノ・トリオのコレクターズ・アイテムである。