遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

東京五輪2020で地球温暖化を再認識

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東京湾の水質は、ガンジス川の水質より悪いようで、17日のパラトライアスロンのワールドカップでスイムが中止された。

ガンジス川は周辺工場からの化学物質の流入で水質は致命的レベルに達していて、沐浴を禁止する動きもあるようだが、大腸菌に限って比較すれば、東京湾ガンジス川の2倍の汚染なのだそうである。

雨などで下水処理能力が追いつかないときは、生活排水に塩素だけを加えて東京湾に流しているそうで、時に東京湾は自然の浄水場と化しているようである。

台場の丘はきれいな建物で近代的な東京シティを象徴しているのかもしれないが、その下に波打つ東京湾下水処理場の様相を呈していて、「おもてなし」の精神はどこに流れていったのやら。

ゼネコンやその周辺に金を流すために、あっという間に取り壊して紆余曲折を経て建設された国立競技場。その資金は東京都の浄水処理に使った方がよかったのではないだろうか。それこそ、レガシーになりえたのに。

トライアスロンオープンウォータースイミングは、会場を変更するべきだろう。関東全域にまで会場候補地を広げれば、いくらでもいいところがある。何ならトライアスロンは、北海道で行われてもいいくらいだ。

また、競歩のある日本選手は、あまりにも日陰のないコースを変更してほしいと訴えていて、これまで東京五輪2020は暑さ対策が懸案事項だったのだが、それに加えて健康被害の可能性がある環境問題にもなって来た。

かつて、北京五輪で大気汚染を理由にメダル候補がマラソンの出場を回避したという例もあったが、東京五輪では猛暑や健康被害を理由に出場回避する選手も出てくるかもしれない。

猛暑や豪雨により生活が翻弄され円滑な経済活動が阻害されている我が国が開催する東京五輪2020のテーマは、「地球温暖化による異常気候と人類」みたいなことにしてもよさそうである。

悲劇の東京五輪を見た地球上の多くの人類が、「地球温暖化」を再認識するのなら五輪開催の意義があろうというものだ。